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2022.01.14 広報広聴

市民アンケートを活かした牧之原市議会の広聴の取組み ~行政の市民意識調査を活用した効率的な手法で市民の声を聴く~

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実施後の効果

 アンケートの結果や寄せられた意見は、議会に対する市民からの貴重なご意見であると捉え、議会運営委員会への報告の後、全議員へ結果を配布し情報の共有を図っています。各委員会及び特別委員会においては、アンケートの結果を参考とした活動を行っているほか、各議員がそれぞれの政務活動に活かしています。
 また、本市議会としては、合併前には旧両町で各16人、計32人であった議員定数を、合併時には10人減らし22人、さらには19人、17人まで減らすなど、定数削減の取組みを進めてきました(表2参照)。しかし、依然として、市民の中には議員数が多いのではないかという意見もあるということから、平成23年及び平成24年のアンケートにおいて、前述のとおり、本市議会の議員定数に対する設問を設け、市民の意見を聴取しました。その結果、「適当」という回答が29.7%(平成23年)から33.8%(平成24年)と増加した一方、「多い」という回答も32.4%(平成23年)から39.8%(平成24年)へと増加しました(表3参照)。
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表2 牧之原市議会の議員定数
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表3 議員定数に関するアンケート結果


 本市議会では、このアンケート結果を受けて検証をスタートさせ、議員間討議を中心に約10回の検討や議論を重ねた結果、最終的な結論として、平成25年6月の定例会において、賛成多数により議員定数を1人減らした16人とすることを議決し、現在に至っています。
 そのほか、本市議会では、平成21年から議会報告会を市内6会場で開催しており、議会活動や重要事項についての報告のほか、平成27年からは市民との意見交換を行っています。意見交換のテーマについては、議会報告会アンケートで次回取り上げてほしいテーマを募っていますが、市議会アンケートで寄せられた市民の関心や意見も参考にしてテーマを決定しています。

今後の課題

 最近では、アンケート結果をしっかりと検証し、議会運営や議会改革につなげていくという取組みができていないように感じています。調査結果が思わしくない事項について、その原因の解明や改善すべきために取り組むこと、議会全体として進めていくべきことなどについて認識の共有、調査研究が十分ではないと感じられるため、アンケートの結果を配布するだけになってしまっているのではないかと憂慮しています。継続的に実施しているからこそ、議会に対する市民の思いや意識の変化、状況が分かるため、貴重なアンケート結果を今後の活動に活用していく手法を考えていく必要があると感じています。
 また、次年度以降も、新型コロナウイルス感染症の影響により市財政の好転は見込めない状況です。議会においても議会費の執行留保や削減に積極的に努めてきましたが、次年度においてもアンケート調査の再開には至っていません。議会全体でアンケート結果をしっかりと検証し、議会活動、議会改革につなげていくことで必要性が高まっていくのではないでしょうか。

おわりに

 本市議会は、昨年10月に改選が行われ、定数の半数に当たる8人の議員が新たに当選しました。本市議会において初となる20代の議員も誕生し、二元代表制としての新たな市議会のスタートに市民の期待も大きいと考えています。
 議会は、市民に単に情報を発信するだけでなく、市民の声を広く聴き、その声を議会活動や政務活動に活かしていくことが真の議会改革につながっていくのではないかと考えており、議会が行うアンケート調査もその重要な手段の一つです。
 今後についても、広く市民の声を聴き、市民に開かれた議会の実現に向けて様々な取組みを進めていきたいと考えています。

 

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