地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

特集 最新!議会広聴の現場

2021.12.27 広報広聴

「開かれた議会」のための広聴とは~自治体議会の広聴活動と政策立案・行政監視機能~

LINEで送る

4 おわりに──“開かれた議会”実現に向けた広報広聴活動  

 前回は、議会の広聴活動の現状および広聴手法とデータについて整理を行った。そして、本稿では議会報告会と住民アンケートを取り上げ、広聴活動と政策立案・監視機能とのかかわりについて考えてきた。最後に、自治体議会が“開かれた議会”を実現するために、今後どのように広聴活動を展開していけばよいのかについて述べておきたい。  
 第一に、議会は“開かれた議会”を実現しようとする取組み自体をいま以上に住民に伝えることである。“開かれた議会”を実現するためには、「議会が住民に開かれていること」、また「開かれつつあること」を住民から認知、理解されることが必要だからである。そのためには、議会独自の政策サイクルを確立して、そのなかに広報広聴活動を明確に位置づけ、相互の連携を強化することである。広聴は広報の結果の検証・評価でもあるし、改善の手がかりともなるものである。この広報と広聴を政策サイクルのなかで展開することによって住民の議会活動への認知や関心の向上、さらには議会への市民参加へとつながっていくのである。  
 第二に、“住民の声を起点にした政策立案”のために、議会が質の高いデータ測定への取組みを検討することである。議会報告会における参加者との対話方法のさらなる工夫と住民アンケートに代表される科学的手法による調査広聴の実践である。もちろん、執行部や他自治体をはじめ、都道府県、国、信頼できる民間調査のデータも最大限活用すべきである。そして、収集データを分析した結果を課題発見・政策立案の基本情報として常時、誰もが活用できるものとして提供することである。これは議員間討議のベースとなり得るものであるし、地域住民との共有により新たなる価値を生む可能性をもつものでもある。  
 以上、2回にわたり議会の広聴活動について考察してきた。現在、広報に比べて低調である広聴活動を拡充することは議会と住民とのコミュニケーションの活性化、議会機能の向上につながり、ひいては“開かれた議会”の実現に近づける。自治体議会による広報広聴活動のさらなる拡充を期待したい。

(1) 母集団とは本来知りたいと思っている集団全体のことであり、たとえば2022年1月1日に地域に居住する18歳以上の男女などである。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る