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特集 ポストコロナ時代の地方議会

2020.10.12 コロナ対応

ポストコロナ、ウィズコロナ時代の選挙戦

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《告示後・選挙期間中の活動》
(1)出陣式・第一声
 従前のように、1か所の会場に支援者等を動員する形式ではなく、会場を数か所に分け、(基本的に動員は行わず)ネットを活用(ライブ配信)するのも一つの方法だ。
 ただし、一部の熱心な支援者は会場に駆けつけるため、会場では手の消毒とマスク着用の義務付けが必要だ(マスクアレルギーのある方は、フェイスシールドを着用してもらう)。
 また、候補者が支援者と接触する際も、「握手」ではなく、「エアータッチ」や「アイコンタクト」、「手を振る」だけがよい。
 ※ 感染防止のためのマスクやフェイスシールド等を持参しない人に、無料で渡してはならない(必ず実費は徴収する)。

(2)街頭活動
 車上運動員(ウグイス嬢やカラスボーイも含む)は、必ずマスクとビニール手袋を着用し、ビラを手渡す際は、できる限り手を伸ばし、接近せず、“密”にならないよう心がけること。
 候補者は有権者が数人でもいたら、こまめに車を止め、あるいは車から降り、(適度な距離を保った上で)握手の代わりに手を振ったり、言葉をかけることが有効だ(マスクよりもフェイスシールドがお薦め)。

(3)個人演説会・決起大会等
 個人演説会や決起大会は原則として開催しないのが最近のトレンドだ。開催する場合は、ウェブ会議ツールの「Zoom」等を駆使(100人以上でも同時接続可能)し、会場内は無観客とし、ライブ配信する。その後は、編集した(テロップ等を入れ)映像をウェブ上でオンデマンド配信も試みる。
(4)為書き(檄(げき)ビラ)
 従前の選挙事務所は壁一面に、様々な政治家や支援団体等からの、「祈必勝」と書かれた為書き(檄ビラ)や推薦状が貼られている。しかし、一定以上の感染拡大中は、選挙事務所を訪れる人は激減する。そこで、従前のように紙ベースの為書き(檄ビラ)を選挙事務所に貼るのに加え、ウェブを使った「電子為書き」や「電子推薦状」を利用する事例も出てきた。各自工夫していただきたい。
※ 為書きや推薦状は、多くの場合、選挙運動にわたる文言が含まれているため、告示日以降にアップすること。

(5)オフィシャルサイト・Facebook等
 写真や動画を最大限活用し、選挙期間中は毎日、こまめに最新情報を掲載する。
※ 写真や動画にはできる限り、キャプション(テロップ)等を入れること(スマートフォン等で音を出さずに見る人が多いため)。

(6)メール
 メールのリストは事前に整理・収集し、選挙戦に最大限活用すること。
※ ただし、候補者がメールを送ることができる相手は、事前にメール送信の許諾を得た宛先に限られるため、選挙前からメールアドレスの収集や、政治活動メール送信の了解をとる等、準備を進めておく。
〈電子メールで選挙運動をする場合の注意点〉
① 選挙運動用電子メールである旨の表示
② 選挙運動用電子メール送信者の氏名・名称の表示
③ 送信拒否の通知を行うことができる旨の表示
④ 送信拒否の通知を行う際に必要とされるメールアドレスその他の連絡先の表示

(7)選挙事務所
 「三密」を避けるとはいえ、候補者サイドが人の出入りを必要以上に制限することは難しい。特に高齢者はかなりナーバスになっていると思われるため、下記のような万全な対策を講じる必要がある。
① 検温
② マスク着用
③ 消毒
④ 換気
⑤ 来所者リストへの記帳(氏名・住所・連絡先等)
また、ウェブ会議ツールの「Zoom」を使えば、オンライン選挙事務所を運営することもできる。
※ ⑤の記帳については、「公職選挙法138条の2(署名運動の禁止)」に抵触するおそれもあるため、必ず「新型コロナ対策のためご記帳願います」と表示しておくこと。

ポストコロナ、ウィズコロナ時代に向けて

 「ポストコロナ、ウィズコロナ時代」は、果たして、私たちの生活様式をはじめ、仕事や社会のあり方等は、どのように変わっていくのだろうか。
 選挙戦においても、現在(世の中の全てがリモート化、非接触型優先となっている状況)は新型コロナウイルス感染症に対応した選挙戦術が求められているが、今後は、感染状況やワクチン・治療薬等の開発により、少しずつ元に戻ってくるだろう。しかし、このコロナ禍で学んだオンライン化、デジタル化の流れは、地域差はあろうが、もはや止めることはできない。
 今回紹介した対応策を参考に、自分なりにアレンジ、工夫していただき、「ポストコロナ、ウィズコロナ時代」の選挙戦を勝ち抜いていただきたい。

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