大津市議会BCPのミライ
上記論点の全てが改定案に反映されたわけではないが、感染症に対応した「大津市議会BCP第4版」は、8月25日の議会運営委員会で正式に承認された。また、オンライン本会議の実現に向けては、「オンライン本会議の実現に必要となる地方自治法改正を求める意見書」を6月議会で可決し、議会BCP改定に先駆けて国に送付した。
しかし、大津市議会BCPは、発生事案が多い自然災害対応から整備してきたものであり、現状でも全ての非常時対応が網羅されているものではない。全体としての完成度は60%程度にすぎず、あくまで実践や訓練を通じて得た教訓を生かし、機動的に改定し充実させていくことを前提とした計画である。それは、完成度100%の計画などを望んでいては、いつまでたっても議会BCPなど成立し得ないからだ。
もとより議会BCP策定に当たってのポイントは、「想定外を想定する」ことである。だが、それも現実には決して容易ではなく、今後も想定外の事態に直面せざるを得ないだろう。
そして、今回のコロナ禍の状況下でも実感させられたのは、残念ながら平時にもまして議会活動が市民に十分認知されているとは言い難いということだ。だが、非常時こそ政治の出番であり、二元的代表制の一翼を担う住民代表機関である議会こそが、市民福祉の向上のために非常時でも活動することが求められよう。そして、そのために必要となる議会BCPの不断のバージョンアップに、今後も局職員の立場から尽力していきたい。(文中、意見にわたる部分は私見である。)
■ 「大津市議会BCP第4版」
■ 「オンライン本会議の実現に必要となる地方自治法改正を求める意見書」