3 横手コミュニティFM放送株式会社「横手かまくらFM」について
横手市では、平成の大合併をきっかけにコミュニティFM局の開設計画が進められる中、平成23年3月11日の東日本大震災発生時には「さいがいFM」として運営し、同年4月1日の正式開局を経て現在に至る。
また、横手市と横手コミュニティFM放送株式会社では、「災害時における緊急放送に関する協定」を締結しており、災害発生のおそれがある場合や実際に災害が発生した際には、災害対策本部の指示による情報をラジオに流すことによって、リアルタイムの情報提供を行っている。市では、65歳以上の高齢者のみの世帯、障害者手帳をお持ちの方のいる世帯や、民生児童委員や消防団の幹部などに「防災ラジオ」を無償提供しており、緊急時には自動でスイッチが入り災害情報が放送されることになっている。
4 コミュニティFM放送を活用する目的と議会の情報発信
ラジオ1台あれば、いつでもどこでも身近な地域情報を得ることができ、仮に自ら積極的に市議会の情報を得ようとしていなくても、農作業中や車の運転中など、たまたま流れていたラジオから議会の情報を得られることがラジオの手軽さ、メリットといえるのではないか。地域に根差したコミュニティFM放送局の存在意義を最大限尊重する形で、議会を身近に感じてもらうきっかけづくりの役割を果たしているものと考える。
こうした情報発信の積み重ねによって、議会だよりに目を通したり、地域で開催する議会報告会に積極的に参加したり、最終的には議場に気軽に足を運んでいただくなど、市議会に関心を持ってもらい、「市民と議会の関わりを深めていくこと」を目的に取り組んでいる。
コミュニティFMを活用した市議会の情報発信としては以下のとおり。
① 様々な行政情報を提供する「よこてタウンメッセージ」のコーナーで、
定例会等の議会日程についてお知らせ。
② 当日の議決結果などを情報提供し、生番組の中で放送。
③ 市長の施政方針・所信説明演説の録音放送。議員の一般質問は、午後1時から
3時頃をめどに放送。
④ 市議会の活動をお知らせする番組、「もっと教えて!横手市議会」を月2回放送。
毎月第2・第4月曜日 午前10時40分頃〜(15分間)
※再放送:翌火曜日 午前7時30分頃〜(15分間)
5 市議会紹介番組「もっと教えて!横手市議会」の放送
「横手かまくらFM」による地域貢献活動の一環として、コミュニティFMを活用した市議会独自の番組が平成24年4月に始まり、今年で8年目を迎える。番組内容としては、議案審査結果や行政視察、広聴活動など、様々な議会活動の報告を行っている。
番組制作に当たっての基本スタンスとしては、議員の人となりが伝わるようなソフトな内容を織り交ぜながらも議会の立場を明確にし、あくまでも横手市議会を紹介する番組であり議員個人のための番組ではないということを徹底している。そのため、自己PRや個人的な見解が放送されることのないように、事前収録を行っている。
6 番組放送までの流れ
広報広聴委員会広報分科会では、四半期ごとに横手かまくらFMの担当パーソナリティー同席のもと、番組内容や出演者を決める番組編成会議を開催し、放送内容や出演者を決定する。その後、番組の進行や質問事項などの流れを事前に調整し収録を行っている。特定の議員に出演が偏らないよう配慮しながら、できるだけ複数の議員が出演し原稿の棒読みにならないよう、ラジオならではの「掛け合い」が生まれるように心がけている。放送後は市議会ホームページに音源をアップし、繰り返しいつでも聴けるようになっている。
番組編成会議
番組収録の様子
市議会ホームページに放送音源をアップ
7 議会傍聴をご縁に、小学校を訪問した様子を番組で紹介
平成29年から広報広聴委員会広聴分科会が中心となって、議会をより身近に感じていただき、将来の住民自治を担う児童生徒の皆さんに市民としての意識を培ってもらうことを目的に、市議会議員が各学校に出向いて授業を行う出前授業「ゲストティーチャー」を実施している。併せて、定例会時の一般質問傍聴や議場見学など、総合学習や社会科教育の授業として気軽に議会へ足を運んでもらうよう、市内各小中学校への呼びかけを積極的に行っている。
横手かまくらFMのパーソナリティーと議員が、一般質問の傍聴や議場見学等を行った学校を後日訪問し、児童生徒へのインタビューや出前授業の様子を放送する番組づくりに力を入れている。