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2020.06.10 広報広聴

稚内市議会のSNSを中心としたゼロ予算での議会広報

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3 導入

 Facebook導入に当たっての検討は議会広報委員会で行い、まず、内容の公平性を保つために記事の作成と投稿は主に議会事務局で行うこと、記事の中身は課長までの決裁をとることなどが確認された。また、その他に、①予算が発生しないこと、②議会事務局の負担が増えないこと、③誹謗(ひぼう)中傷を防ぐこと、④継続した投稿を行うことなどといった懸念が各議員から示されたため、これらを解消した上で導入をすることになった。
 ①については、そもそもFacebookは基本無料で利用できるコンテンツのため問題なく、②と④については、議会が最も忙しくなる3月定例会中に、閲覧を制限したアカウントを作成し、試験的に記事を投稿したところ、事務局の通常業務を圧迫することなく、継続して投稿することができたため、年間を通して継続した投稿を行えると判断した。③については、誹謗中傷を完全になくすといった対応はできないため、そういったコメントがあった際に素早く対応し、事態が拡大しないようにするためのガイドラインを作成し、対応を徹底するようにした。
 こうして、事前に各議員から示された課題については解決する見通しが立ったため、平成25年4月から市議会のFacebookを本稼働させることとなった。令和2年5月現在のフォロワー数は319人となっている。
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図1 本市のFacebookページ

4 運営体制

 運営体制については、上記で述べたように記事の作成、投稿は基本的には議会事務局で行っており、従来より発行している議会だよりやホームページと連携し、より幅広い情報を迅速かつ積極的に発信できるよう運営している。
 ホームページとFacebookを「新聞」に例えると、ホームページは「自分で調べて記事を見にいく」(コンビニへ新聞を買いにいく)ということに対し、Facebookは「自分のタイムラインに記事が届く」(自宅の郵便受けに新聞が届く)というように、それぞれの特性の違いがある。Facebookを活用することで、自動的に読者が記事を目にすることが可能となる。しかしながら、新聞は毎日、自宅の郵便受けに届けられるものであり、記事の投稿数が少なければかえって悪影響であるため、継続的な情報発信を心がけている。
 記事の内容としては、本会議・委員会の審議内容や議長公務、行政視察、ホームページの更新内容の告知など、日々の議会の出来事の投稿を行い、また事務局職員の負担軽減のため、状況に応じて議会広報委員である議員に記事の作成と投稿をお願いすることもある。継続して投稿を続けることによって、「いいね!」の数や閲覧者数も増えており、継続して続けることが重要であると考えている。
 運用開始前に心配されていた誹謗中傷のコメントがされた際の対応についてだが、本稼働から約7年が経過している中で、議会のFacebookに対しては、要望や意見といったコメントはあるものの、誹謗中傷といったコメントは1件も寄せられることがなく、今のところは当初心配されたような対応が必要になった事例はない。これは、Facebookの登録には実名での登録が必要で、コメントした際には登録した名前も残ってしまうため、そういった部分が抑止力となっているのではないかと考えている。

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