地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

特集 議会×ファシリテーション

2020.03.25 仕事術

取手市議会の対話事業~「楽しく」対話するためのファシリテーション(特集2)

LINEで送る


編集部 それから、取手市議会の「対話事業」が非常に素晴らしいと思うのは、対住民ということだけにとどまらず、対話の対象を住民、職員、そして議員同士でも行っている点かと思います。これについては何か狙いがあってのことでしょうか。
新規採用職員とのコラボ事業(カードバトル)

新規採用職員との対話事業の様子

岩﨑 取手市議会には、「議会を知ってほしい」といった高い意識をもった議員が多くいると感じます。それには議会が外へ出ていく。の行動につながっているのかと。さらに、市民の皆さんをはじめその関係者などと対話することによって、現状を深く知ることができる、といった考えがあるように感じます。

編集部 他の議会のお話を聞いていますと、住民と対話といっても議会に対する不満ばかり出るのではないかとか、建設的な意見は出ないのではないかといった懸念も聞かれます。

岩﨑 どうしても「議員と話す」と聞くと住民側も構えてしまい言いたいことも言えない…といったことが起こりがちです。意見交換会終了後の立ち話のほうが盛り上がる、みたいなことも私自身感じていました。そんなこともあって、「ただ机と椅子を並べて話す」ではなく、「どうしたら意見が出しやすい空気をつくれるか?」を真剣に考え、試行錯誤しています。その部分の改善改革のためにも、ファシリテーションの研修等で学んだ手法をメニューとして提案し、取手市議会が「それでやってみよう!」と賛成し、事業が動き出すということが多いです。

編集部 外に出て得てきた情報を議会に還元するというサイクルがうまく回っているんですね。

岩﨑 そうなんですよね。本当にありがたいことです。『議員NAVI』編集部の皆さんには過去に取材いただいたので、よくご存じかと思いますが、私がいつも最初に考えるのは「仕事や事業は楽しく。議論は質高く、厳しく」です。意見交換会など、議会が主催する会に参加した皆さんがその場で「楽しさ」を感じていただければ、自ずと良い意見や考えがリラックスして出てくると思ってます。その「楽しさ」を感じていただくため、会で話合う中身も大事ですが、アイスブレイクも意識して実施しています。最近は「ウボンゴ」「ブロックス」などパズルゲームを用いたり、対話手法に「オリジナルカードバトルゲーム」などを考案して導入しています。当市議会では今年1月に選挙があり、2月15日から新しい任期開始となりました。先日開催された議員研修会では事務局職員全員が講師を務めました。その中でもゲームをアイスブレイクや研修の合間に取り入れて、議員同士はもちろんのこと、議員と事務局職員のコミュニケーションを高める効果なんかもあります。
R2議員研修会

令和2年議員研修会「ONE・TEAM」議会を目指して!

編集部 岩﨑さんのおっしゃる通り、「楽しさ」というのは、重要なポイントかと思います。佐藤先生もファシリテーションに関する論稿の中で、「楽しさ」ということの大事さを指摘されています。議会によってはBGMを流したり、テーブルクロスを明るい色にしたりと色々な雰囲気づくりの工夫をされているようですね。

岩﨑 テーブルクロスといえば、先日、市議を引退された方から、「岩﨑さん、使って!」といって、佐藤先生が推奨されている意見を出しやすい雰囲気づくりのアイテムの一つでもあります「赤いチェックのテーブルクロス」をいただき、早速、先の議員研修会で使用いたしました。引退後も、議会を見守っていただいていることに、本当にうれしかったですし、これが取手市議会と議会事務局の関係ですかね。
IMG_1053

議員研修会では赤いテーブルクロスを敷いて、まずはブロックスでアイスブレイク。

編集部 取手市議会の対話の在り方、今後の展開についても注目しています!この度はお話を頂きありがとうございました。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る