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特集 議会図書室改革の到達点

2019.12.25 議会図書室

伊万里市議会の「議会図書室」改革~公共図書館とともに育つ~(特集5)

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4 今後へ向けて

 議員控室での図書の展示を開始したときの議長は、地元ケーブルテレビのインタビューで「議員に自覚があれば自ら図書館へ出向き、多くの資料から選ぶのが本来の姿」であると答えている。それは正論だが、本来は議会で備えるべき資料と、それを議員と結びつける司書のチカラを活用する次善の策として、伊万里市議会ではこの形式を継続することになる。
 その前提で、現在挙げられる課題は以下の3点である。
①  市職員との共有:執行部の管理職から「議会への資料提供には、旬な話題の資料が多く、可能なら利用したい」との話が聞こえてきており、職員との共有ができないか考えたい。その場合は貸出しの方法や場所、及び電算化について考える必要がある。
②  行政計画等のファイリング:議会は4年に1回選挙による入替えがある関係上、議員によっては過去に策定した行政計画についての情報がない場合もある。各部署が策定した計画類をきちんと整理保存することは議会図書室の大きな役割の一つであり、システムとして構築したい。現在は各議員に配布されているが、自宅に持ち帰るなど保管の状況は様々であり、共通資料としての議会図書室へのファイリングは不可欠である。また、自治体の大型事業について、委員会への説明資料などを事業ごとにまとめ、議員はもとより市民も後から振り返ることができる資料として共有することも、議会図書室の役割であろう(これは当然ながら、公共図書館の地域資料としても保存される)。その際のノウハウを司書に求めたいと思う。
③  議会から図書館へのリクエスト:議員個人のレファレンスを超えた、議会としてのあり方を模索する。「議会ミッションロードマップ」を作成することまではできなくとも、議会や委員会としての年間計画を作成し、そのためのバックアップを依頼する。当然ながらすべての丸投げではなく、論点整理をした上で臨めば、大きな成果が得られるであろう。

 冒頭で「公共図書館のあり方についての意識改革から始めていただきたい」と僭越(せんえつ)なことをいわせていただいたが、自治体のあらゆる政策のタネが図書館に眠っていると思えば、単なる文化施設の一つとして図書館を考えることの不具合に気づかれるのではないか。議会図書室の充実のためにも、公共図書館について改めて考える機会になればと願っている。

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