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特集 議会図書室改革の到達点

2019.12.10 議会図書室

呉市議会の議会図書室改革(特集3)

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3 具体的整備

 図書室機能の整備の充実に向け、重点項目として①蔵書の充実・資料の収集、 ②他図書館との連携、 ③議員への情報提供、 ④レファレンスサービスの強化、の4点を挙げ、取組みを始めた。
 ①蔵書の充実については、司書が戦うにはそれなりの武器が必要であり、その武器の一つが蔵書の充実である。当初年間2万円だった図書購入費は、改革初年度は15万円へ増額し、令和元年度予算では30万円(新聞等は含まれない)まで増額することができた。また、本議会図書室は市政資料室と併設しているため、市政資料室の管理の一部を司書が行っている。そのため、市政資料室の資料も把握できており、本議会図書室でカバーできない統計書や専門資料など約5,000冊を活用している。このように併設によって武器の種類が増えるということは、戦法、つまりは調査の手段・方法が増えるということにつながり、設置当初は併設に異論が出たが、結果、功を奏している。
 ②他図書館との連携では、呉市立図書館、広島県立図書館と連携し、図書の貸出しやレファレンスサービスのサポートを得ることができた。さらに議案質疑等に関連性の高い社会科学分野の所蔵が多い広島修道大学図書館の協力も得ている。現在は、専門図書館協議会にも加盟し、同協議会が主催する研修に参加することにより、他図書館との情報交換や交流を深めている。
 ③議員への情報提供では、各地の先進事例や新着図書等をまとめた議会図書室情報紙「チャージ」の発行と、議員の見せ場ともいえる一般質問に使える内容をテーマとした特集コーナーを設けた。さらには、各議員が関心を持つ、又は研究テーマにしているキーワードを三つほど設定し、それに関する新聞記事や図書などの情報を各議員が持つタブレットに送信する「議員個別メールサービス“イナズマ”」も同時に行い、議員の利用を待つだけではなく発信する議会図書室を目指している。この“イナズマ”のキーワードは、いつでも変更可能なため、定例会ごとに議員が変更したり、議員との日常会話等から司書が設定を変更したりと、新鮮さに気をつけている。
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議会図書室情報誌「チャージ」

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左:特集棚(メイン)、右上:特集棚(サブ)、右下:呉市議会図書室全体

zu2議員個別メールサービス“イナズマ”

 ④レファレンスサービスの強化では、常駐の司書1人を配置。司書はレファレンス依頼のみならず、 ①~③に介在し各機能の向上を目指した。また、議員へのレファレンスが優先ではあるが、執行部職員や市民からのレファレンスも受け付けている。特に職員からの依頼は、行政目線に立つことにもなるので非常に勉強にもなり、そして、市民からもレファレンスを受けることにより、開かれた議会への一歩にもなっていると考えている。

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