修正NPSの計算方法
さて、修正NPSの具体的計算を例示しよう(図3)。「あなたが自ら住む地域(〇〇という地域)を推奨する気持ちは10から0のどの程度ですか」という質問を地域住民に対して行う。サンプルへのアンケートでもいいだろうし、ウェブアンケートを用いることもできる。その結果として10・9・8と答えた人が35%、5以下と答えた人が25%だとすれば、推奨意欲についての修正NPSは35マイナス25によりプラス10となる。これが地域住民による地域推奨意欲指数となる。
図3
また、セグメントした地域外ターゲットにも同様のアンケートを行う。地域外ターゲットでは10・9・8と答えた人が5%、5以下と答えた人が35%だとすれば、推奨意欲についての修正NPSは5マイナス35によりマイナス30になる。
mGAPでは、先に確認した左項にある地域人口あるいはセグメントした地域外ターゲット人口の概数に、今計算した地域推奨意欲指数を掛けることで地域推奨意欲量を測定することができる。例えば、地域人口が5万人であれば、5(人口)掛ける10(推奨意欲指数)でプラス50という地域住民による地域推奨意欲量を算定することができる。
また、セグメントした地域外ターゲット人口が2万人だとすれば、2(人口)掛けるマイナス30(推奨意欲指数)でマイナス60という数字が地域外ターゲットによる地域推奨意欲量となる。
ここで興味深いことは、しっかりとしたセグメントを行わないまま、何となく多くの人々をターゲットにしてしまうと、地域外ターゲットの地域推奨意欲量がきわめて大きなマイナスとなる点である。あるいはシティプロモーション活動によっても地域外ターゲットの地域推奨意欲指数を高めることが困難になるという点である。むやみに地域外ターゲット人口を大きくし、例えば200万人としてしまうと、彼らの地域推奨意欲指数がマイナス30だとすると、地域外ターゲットによる地域推奨意欲量はマイナス6,000にもなり、地域住民の意欲をどれほど高めても後述するmGAPはプラスにはならない状況が生まれる。
このことからも、十分なセグメントによるターゲティングがシティプロモーションにとって重要であることが理解できる。