「意欲」を数えるには
次に、右項の「意欲」を数えよう。意欲を数えるために必要な考え方は、本特集の初回でも述べたライクヘルドが提唱するNPS(ネットプロモータースコア)である。NPSはもともとブランドへの推奨意欲を明確にすることで、それぞれのブランドの「強さ」を示すものだ。近年では多くのブランドがNPSを用い始めている。
mGAPでも意欲を計算するために、このNPSを参考にする。具体的には、①については地域住民に、④ではセグメントした地域外ターゲットに「あなたは、この地域を知人友人にどれだけの気持ちで推奨しますか」と尋ねる。その選択肢として「とても強く推奨する」を意味する「10」から「推奨する気持ちは全くない」を示す「0」という11段階の数字を用意する。この中で、それぞれの回答者の気持ちに合う数字が選ばれることになる。
このうち10・9・8と答えた推奨意欲が高い人(A)の比率から、5から0と答えた推奨意欲が低いあるいは否定的意見を述べる人(B)の比率をマイナスする(図2)。
図2
なお、ライクヘルドが提唱したNPSでは、10・9と答えた人を推奨意欲の高い人とし、6以下の回答を行った人を推奨意欲の低いあるいは否定的意見を述べる人としている。mGAPでは、これを上記のように修正している。そのため、ここでは、先のAからBを差し引いた数字を修正NPSと述べておく。この修正の意義についても後ほど述べたい。