──投票したい人が見つからず棄権している人に対しては?
候補者の選び方の1つとして、ポスター掲示板の前に立って全候補者を見ることをお勧めします。ポスターの写真や文字、デザインなどを見て、ピンとこない人はその時点で除外します。ポスターというのは戦略をもって作成するものですから、そこに感じるものがなかったら問題外です。残った候補者をウェブで検索してみて(情報が)何もなかったら、それも除外します。選挙のときにパブリックな場に情報を提示しない人が、当選後に情報をきちんと提示するとは考えられませんので……。次に、ウェブ上に示された情報から判断します。地方選挙で示される政策は、どうしても似たり寄ったりになりがちなので、掲げられた政策の順番に着目します。各候補者が考えている政策の優先順位を見極める指標となります。それから他の候補者が示していない分野や論点にも着目して、自分がこだわる分野を掲げている候補者を探すという手もあります。
2015年に国会で選挙権年齢引き下げの意見陳述を行った原田さん
──投票に行かない若者を嘆く上の世代の方たちにおっしゃりたいことはありますか。
上の世代の人たちから(政治参加を)周りの若者たちに広げていただきたい。若い世代が政治に無関心だと嘆く人の中には、自分たちの周りだけで話題にしているケースや、逆に若い人たちを責め立てたり、憤って話をするケースが多いと思います。僕はどちらも違うと思うのです。上の世代の方たちが若い世代に押しつけではない形でもっと話をすべきで、自分の意見も伝えた方がよいと思います。「投票に行くべきだ」とか「政治に関心を持つべきだ」といった価値観を(若者たちに)理由なく伝えても、何も変わりません。そうではなくて、若者が実際に政治に関わる意義や楽しさを知り、政治に声を届けることができる仕組みをきちんとつくることが大事だと思います。
──選挙管理委員会が投票率を上げるための努力をもっとすべきだと思いませんか。
投票率アップの役目を選挙管理委員会に求めるのは、違うと思います。住民が政治や行政への関心を高めるよう、まちぐるみで動くべきものだと考えます。