Twitterの効果測定と改善のコツ
Twitterでは、どれだけ多くの人々にフォローしてもらっているのかを示す「フォロワー数」とその推移を見るのが最初の段階になります。これは自治体であれば、住民の何パーセントがフォロワーになっているかという率をとってみるのも面白いと思います。
フォロワー数に加えて重要なのが"インプレッション"です。こちらはTwitterの効果測定ツールTwitter Analyticsを利用して見ることができます。インプレッションとは、フォロワーのうち何人に実際表示されたのか、という数字です。フォロワーがいくらたくさんいても、インプレッションが少ないと意味がありません。インプレッションを高めるためには、投稿内容を工夫したり、投稿する時間帯を変えてみたりして、効果測定をします。
Twitterの場合はタイムラインと呼ばれるとおり、全ての投稿は時間順に並びます。投稿したタイミングでTwitterを閲覧していたフォロワー全てに投稿内容を見てもらうことができますが、投稿したタイミングで見ていないフォロワーには、投稿内容を見てもらえないということになります。そこで、なるべくフォロワーがTwitterを閲覧しているであろう朝夕の通勤時間、お昼休み、夜寝る前の時間などをねらうと効果的です。ただし、ライバルも同じことを考えているので、逆に朝早い時間をねらうなどしている運用チームもあります。いろいろ仮説検証をして工夫することで、自分たちにとってどこが一番有効な時間帯なのかを割り出します。Twitterの投稿は時間とともに流れていってしまうので、投稿時刻を工夫するとともに、投稿数を増やすことも重要な施策のひとつです。
図:Twitterの効果測定ツールTwitter Analyticsの画面例
ここまでは、コミュニケーションの量の話でしたが、ここからはコミュニケーションの質について説明します。Twitter Analyticsには"エンゲージメント数"という値が用意されています。これは、ツイートの「クリック」、「リツイート」、「返信」、「フォロー」、「お気に入り登録」の数の合計です。ツイートのクリックには、リンク、ハッシュタグ、プロフィール画像、ユーザー名、詳細表示などのクリックが全て含まれています。つまり、そのツイートからフォロワーが何らかの行動を起こした数の総数です。これは投稿の質を表す数値になります。
もちろん多くの人に読んでもらった方が、エンゲージメントも起こしやすいので、投稿の時刻まで含めて投稿コンテンツの質と考えることができます。エンゲージメントの数が多いほど、多くの人の感情を動かしたことになるので、生活者とのエンゲージメントが高まったと見ることができます。どんな投稿コンテンツのときに、エンゲージメントが高まったのかを分析することで、自分たちの魅力を再確認することができるようになります。
また、Twitterは140文字と短い文章しか書けませんが、内容に興味を持ってもらえたら、今度はリンクからウェブサイトやブログに誘導し、より質の高い、内容の深い記事を読んでもらうことができます。このリンクが押された回数、このリンクからウェブサイトやブログを読んでもらった回数を測定することができますので、この数値からもTwitterの投稿コンテンツの質を評価することができます。
Facebookページの効果測定と改善のコツ
Facebookページでは、最初にページの「いいね!」数が指標になります。「いいね!」数には、ページ自体の「いいね!」数と投稿ごとの「いいね!」数があります。ここでは、ページの「いいね!」数はファン数と呼ぶことにします。Facebookページに投稿するとき、投稿者はファン全員に読まれることを期待しますが、Facebookページの投稿は、およそファンの10〜20%にしか届きません。この届いたファンの数をリーチと呼び、これは投稿ごとに計測されます。
Facebookページの投稿が多くのリーチを獲得できるかどうかは、"エッジランク"と呼ばれるアルゴリズムで決められます。エッジランクは「①親密度」、「②重み」、「③経過時間」の3つの指標の組合せで決められます。
投稿されてからの時間の流れで説明しましょう。投稿した瞬間にFacebookを見ているファンには、③の経過時間が少ないので、ほぼ確実に表示されます。そのとき、さらに「いいね!」や「コメント」や「シェア」がつくと、②の重みが増えるので、エッジランクが上昇し、多くのファンに表示されるようになります。時間が経過すると③の経過時間のスコアが下がるので、エッジランクが下がりますが、そのときまでに②の重みのスコアが十分に上がっていれば、多くのファンに表示することができます。仮に②の重みが上がらなくても、①の親密度の高いファンはエッジランクが高くなるので、表示されます。①親密度は、ページに「いいね!」や「コメント」や「シェア」をしてくれたり、ページを何度も表示したりしているファンに関して高くなるスコアです。
簡単にいうと、みんなが見たいと思うコンテンツは、より出るようになり、誰からも「いいね!」のないコンテンツは、ほとんど表示されなくなるということです。反応の良いコンテンツのリーチはファン数を超えることもあります。
投稿内容の品質を指標化したものを"エンゲージメント率"と呼びます。エンゲージメント率は、「いいね!」数、「コメント」数、「シェア」数を足したものを、その時点のファン数で割ったものです。ファンのうちの何パーセントが反応をしてくれたか、という数値です。Facebookページの分析ではかなり一般的に利用されていますが、全て公開された数値で計算されるため、競合ページと比較するのに便利です。この数値を見ていくことで、優れたコンテンツを探し出すことができるのです。
これらの数値は、全て前述の無料ツールで取得できます。取得したデータを利用して、自治体から投稿した内容が、生活者にとって有益なものだったか、それともこちらが期待するほど生活者からの反応が得られなかったかをすぐに検証することができます。TwitterもFacebookも過去の投稿のランキングを継続的にとって、どのような内容が生活者からの反応を得られるのかを分析することで、投稿内容の質を上げていくことができるでしょう。