政治的対立の渦中にあって
自治体職員として行政運営に携わっていて悩ましいと感じるのは政治との距離。
自治体職員は政治的中立を求められ、私たちは日々公明正大に業務を遂行しているわけですが、その自分が担当する業務そのものが政治家である首長の肝いり公約であるなどの政治的な色合いを帯びたとき、業務内容そのものは公平中立な立場で立案され手続が進められているにもかかわらず政治的対立に巻き込まれ、中立の立場で業務を遂行している自治体職員自身が板挟みのような軋轢(あつれき)の中に身を置くことになってしまうというジレンマを私は何度も見てきました。
首長が公約に掲げた施策が当選後直ちには進められないということがありますが、その多くは議会等の既存勢力との軋轢です。
選挙に勝った首長は自分が有権者の信託を得たのだから当然進めるべきと考えますし、一方議会等の既存勢力は選挙で当選したところでそれが直ちに個々の施策事業を進める上でのフリーハンドのお墨付きになるものではないという構造をよく理解していて、議会での議案審査などの個々の政策決定、推進過程で難癖をつけてその足を引っ張ろうとします。
お互いに理路整然とした政策論を堂々と戦わせているのであればまだよいのですが、政治的対立の多くは政争と呼ばれる権力闘争、マウンティングが背景にあることが多く、権謀術数渦巻く厳しい勝負の世界は、中立を立ち位置として不戦を誓い、戦いの場から身を遠ざけてきた私たち自治体職員にとっては、想像を絶する理不尽かつストレスフルな世界なのです。
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