千葉工業大学先進工学部教育センター・国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター 遠藤伸太郎
インターネット、とりわけSNSは、いまや子供の日常に深く組み込まれている。こども家庭庁による令和7年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」では、青少年全体のインターネット利用率は99.0%に達しており、高校生では男子98.8%、女子99.8%がインターネットを利用している。つまり、高校生にとってインターネット利用は、一部の子供に限られた行動ではなく、ほぼ全員に共通する生活基盤となっている。SNSを含むオンライン上のコミュニケーションについても、高校生の生活への定着は著しい。同調査では、スマートフォンでインターネットを利用している高校生の利用内容として、LINE、Instagram、X、FacebookなどのSNSを通じたやり取りを含む「コミュニケーション」が93.2%で最も多いことが報告されている。これはSNS単独の利用率ではないものの、高校生のスマートフォン利用において、他者とのオンライン上のやり取りが中心的な位置を占めていることを示している。
日本の高校生にとってインターネットとSNSは、もはや「使うか使わないか」を選ぶ段階を超えている。こうしたなか、国立青少年教育振興機構が令和6年7月に公表した「高校生のSNSの利用に関する調査報告書」は、日本、米国、中国、韓国の高校生を対象に、SNS利用の実態と影響を比較したものである。同報告書によれば、日本の高校生の多くがSNSを利用しており、生活習慣や心理面への影響が懸念されるSNS依存の問題は、日本だけでなく各国共通の課題であることが示されている。具体的には、SNSの依存傾向について4か国を比較した結果、米国、韓国、中国、日本の順で依存傾向が高く、日本は最も低い結果となった。しかし、ここで重要なのは、日本が「低い」から安心できるということではない。報告書は、いずれの国も理論的中央値を超えており、国別の差異も小さいことから、国にかかわらず高校生がSNS依存の問題を抱えている可能性を示している。つまり、日本の子供たちも例外ではないのである。
では、どのような利用が依存と結びつきやすいのか。分析で注目すべき点は、利用時間だけでなく「利用目的」が関わっていることである。日本と米国では、ストレス解消を目的としたSNS利用が依存傾向と正の関連を示した。これは、日々の不安や悩み、学校生活のストレスから逃れる手段としてSNSを使うことが、依存傾向の強さと関係している可能性を示すものである。また、直接会ったことがないネット上の友達とのコミュニケーションも依存と関連していた。ネット上の人間関係は、子供にとって居場所や承認を得る場になり得る一方、常時接続や心理的負担を強める可能性もある。
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