川口市議会議員 杉本佳代
序論:利便性の影に潜む「見えないリスク」
21世紀、インターネットは私たちの生活に不可欠なインフラとなりました。情報の瞬時の共有、多様な「知」へのアクセス、そして地理的制約を超えた交流。これらは社会全体に多大な恩恵をもたらし、とりわけ次代を担う子どもたちにとって、ネットは学びや自己表現の可能性を広げる強力な武器となっています。
しかし、光が強ければ影もまた濃くなります。SNSを介したコミュニケーションが子どもたちの日常に深く浸透した結果、かつての「路地裏のトラブル」はデジタル空間へと場所を変え、その匿名性と拡散性によって、より深刻で不可視な問題へと変質しました。
子どもたちがネット犯罪の被害に遭うだけでなく、無自覚のうちに他者を傷つけ、加害者となってしまうリスク。そして、過度な依存による心身への悪影響。これらはもはや一家庭、一学校の努力だけで解決できるフェーズを超えています。こうした危機感に基づき、川口市議会では議員提案による「川口市子どものインターネットの適切な利用の推進に関する条例」を制定し、令和8年4月1日より施行しました。本稿では、条例制定の背景にあるデータと、本市が目指す「共助」の形について詳述します。
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