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2026.03.25 New! 政策研究

データから知る生活保護制度の現状 ──自治体間格差の可視化が拓く民主的統制の可能性

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立命館大学産業社会学部 桜井啓太

1 はじめに──なぜ「データ」なのか

 生活保護制度は、日本国憲法25条に基づく生存権保障の中核的な制度である。生活保護法1条は、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行うことを定めている。制度の枠組みや保護基準の設定は国の責任であり、財源の4分の3は国庫が負担する。その意味で、生活保護は国家責任による制度である。
 しかし、制度の実際の運用は、全国約1,240か所の福祉事務所に委ねられている。生活保護は法定受託事務であり、本来は全国一律の運用が求められる。ところが実態としては、福祉事務所ごとに運用に大きな差が生じている。ある自治体では適切に保護が開始される一方で、別の自治体では申請そのものが抑制されることもある。同じ法律に基づく同じ制度でありながら、住んでいる地域によって受けられる保護の内容が異なるという現実がある。
 本稿では、筆者が参加する「生活保護情報グループ」の活動を通じて収集してきたデータに基づき、生活保護行政の自治体間格差の実態を紹介する。データによって運用格差を可視化することの意義と、地方議会がその民主的統制において果たしうる役割について述べたい。

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桜井啓太(立命館大学産業社会学部 准教授)

この記事の著者

桜井啓太(立命館大学産業社会学部 准教授)

専門は貧困問題、生活保護制度。主な研究テーマは、日本の貧困と生活保護制度。大阪市立大学大学院創造都市研究科博士課程単位取得満期退学。博士(創造都市)。堺市役所職員、名古屋市立大学専任講師・准教授を経て現職。著書に『〈自立支援〉の社会保障を問う-生活保護・最低賃金・ワーキングプア』(法律文化社)。『自立へ追い立てられる社会』(共編著、インパクト出版会)、『子育て罰—「親子に冷たい日本」を変えるには』(共著、光文社新書)など。

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