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2026.02.10 議員活動

第6回 住民相談におけるAI活用法

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一般社団法人ポリライオン代表理事 太田佳祐

 住民から寄せられる相談への対応は、地方議員にとって最も重要な役割の一つです。一方で、その件数や内容は年々幅広くなり、福祉や教育、道路、近隣トラブルなど、多様な分野にまたがるようになっています。限られた時間の中で、すべての相談に丁寧に向き合うことは、想像以上に大きな負担となります。
 多くの相談を受けたり、対応が後回しになったり、以前のやり取りを正確に思い出せなくなったりすることも少なくありません。こうした状況の中で、AIをどのように使うかが一つの鍵になります。
 近年では、音声を文字に起こすAIレコーダーや、会話の要点をまとめるAI議事録も実務で活用しやすくなってきました。本記事では、住民相談を一人で抱え込まず、整理しながら向き合うためのAI活用法を、実務の流れに沿って解説していきます。

住民相談対応が議員にとって負担になりやすい理由

 まずは、住民対応が議員にとって負担になりやすい理由を解説していきましょう。

(1)相談内容が多岐にわたり、その場で整理しきれない
 住民相談の特徴の一つは、内容の幅が非常に広いことです。福祉や子育て、道路や公共施設、近隣トラブルなど、相談のテーマは分野をまたいで次々に寄せられます。専門外の内容も多く、その場で即答できないケースも珍しくありません。
 相談を受ける場面では、まず相手の話を遮らずに聞くことが求められます。その一方で、話の要点はどこなのか、事実と要望は何か、どこまで対応できるのかを頭の中で同時に整理しなければなりません。この作業を一人でこなすことは、想像以上に負荷が大きいものです。

(2)感情への配慮と事実確認を同時に求められる
 住民相談では、事実関係の確認だけでなく感情面への配慮も欠かせません。困りごとや不満を抱えて相談に来られる方も多く、話を聞く姿勢や言葉の選び方一つで受け取られ方が大きく変わります。
 共感を示しながら冷静に話を整理し、誤解を生まないように説明する。この二つを同時に行うことは、経験を積んだ議員であっても簡単ではありません。対応の場面が続くほど精神的な疲労が蓄積しやすくなります。

(3)記録が曖昧になり、後から対応が難しくなる
 もう一つの大きな課題が、相談内容の記録です。メモをとりながら話を聞いていても、後から見返すと要点が分からなくなっていたり、重要な部分が抜け落ちていたりすることがあります。時間がたてばたつほど、相談の細かな経緯を正確に思い出すことは難しくなります。
 記録が曖昧なままだと、対応の遅れや認識のずれにつながる可能性があります。特に継続的な対応が必要な相談では、過去のやり取りを正確に把握できないことが、さらなる負担を生む原因になります。このような背景から、住民相談対応は議員にとって大きな負荷となりやすいのです。

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太田佳祐(一般社団法人ポリライオン代表理事)

この記事の著者

太田佳祐(一般社団法人ポリライオン代表理事)

地方議員として地域課題に取り組む中で、政治分野におけるハラスメント問題に直面。これを社会課題として捉え、政治分野のハラスメントに関する啓発と制度的な解決を目的に、一般社団法人ポリライオンを設立。2021年には実態調査に基づく『政治家ハラスメント白書』を発表し、第17回マニフェスト大賞「コミュニケーション戦略賞 最優秀賞」を受賞。2024年からは行動変容を伴走し支援できる人材を育成するため、一般社団法人日本アカウンタビリティ・パートナー協会を設立。代表理事として、多様な自治体・議会改革の現場で“アカウンタビリティ・パートナー”の手法を活かした行動支援・組織変革を行っている。 また、AIハラスメントチェッカーの開発をきっかけにAIの分野に参入。AIの社会実装とリテラシー普及にも精通しており、議会・行政・教育現場へのChatGPT等の導入や活用支援を実施。地方議員向けに「AI活用連載記事」を継続的に執筆し、デジタルと伴走型支援を組み合わせた地域課題の解決手法を提案している。 地方議会におけるハラスメント防止研修や、AI・DXを活用した政策立案・議会改革の研修講師としても多数登壇。実務と制度改革をつなぐハイブリッドな視点で活動を展開している。

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