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2024.06.25 政策研究

第51回 参照性(その2):調査

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東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之

自治体の判断の情報源

 自治体が政策立案や政策執行を行う際に、自ら判断することが自治実践の基本であるが、そのときに、判断の素材として様々な情報を収集する。住民や利害関係者など、地域社会の様々な意見を収集したり、あるいは、地域実情を調べることがあろう。また、地域社会の側から、様々な要望・要求・提言などとして、情報の入力がなされることが普通である。しかし、自治体は地域社会の外部からの情報を収集することもある。あるいは、地域社会の外部から、情報がもたらされることがある。例えば、研究者・専門家、マスメディア・ネット、漠然とした世論、全国的・国際的な利益集団などがある。
 とはいえ、自治体は、こうしたナマの情報を受け取っても、そのまま判断過程に投入するとは限らない。なぜならば、こうした情報にそのまま左右されて、的確な判断ができるのか、必ずしも得心が持てないこともあるからである。例えば、「首長への手紙」とか、窓口や電話での苦情、議員からの口利き、各種団体からの陳情を、そのまま受け取って「はい、そうです」ということにはならないだろう。それらの情報が、政策判断としてくみ取るべき情報かどうかは、分からないからである。一方の情報に従って判断すると、後になって他方から反対が表明されることもありうるからである。

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金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

この記事の著者

金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 1967年群馬県生まれ。東京大学法学部卒業。 東京都立大学助教授、オランダ国立ライデン大学社会科学部行政学科客員研究員、東京大学助教授を経て、06年より現職。 専門は自治体行政学・行政学。主な著書に『自治制度』(2008年度公共政策学会賞受賞)、『原発と自治体』(2013年度自治体学会賞受賞)等。

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