2024.05.07 New! 政策研究
【PickUp 日経グローカル】霞が関 底流伏流 農林水産省 漁獲監理官チームが登場マグロ不正の防止なるか
本年4月、水産庁に「漁獲監理官」組織が発足した。総勢20名で不正な漁獲や流通に目を光らせる。対象はアジ、サバ、サンマ、クロマグロなど法令に基づく漁獲可能量(TAC)を設定している魚種全般。トップには国際漁業交渉に参加する調整官経験者が就任した。
違法、無報告、無規制の漁業、英語の頭文字をとってIUUとも呼ばれる悪質な漁業の撲滅が求められている中、日本もTACを軸にした資源管理に大転換したものの、青森県の大間漁協などで年間90t(2021年分)を超す大量のクロマグロ未報告事案が発生し、刑事事件になった。マグロの最大消費国、漁獲国として国際会議で釈明に追われる立場になり、再発防止を期して、新しい組織を立ち上げたのである。