東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之
尺度と類型化
多数ある自治体を理解するために、自治体間の異同を顕在化させることがある。ある尺度を用いれば、連続的に自治体の異同・遠近を位置付けることができる。例えば、住民人口を尺度にすれば、全ての自治体は住民人口数に応じて連続線上に位置付けられる。統計的に、人口と他の要素との相関分析などをする際には、人口は連続線で存在することで充分かもしれない。1人単位まで識別すれば、同じ自治体はまずありえない。
もっとも、1人単位での連続線上の差異化は、我々の理解という観点で有意味ではないとすれば、ある程度のまとまりで、段階的・不連続的に位置付けることになる。例えば、人口1,000人未満、1,000人以上5,000人未満、5,000人以上1万人未満、1万人以上5万人未満、10万人以上30万人未満、30万人以上50万人未満、50万人以上100万人未満、100万人以上200万人未満、200万人以上、などという段階に分けることができる。もっとも、この線引きが、なぜ「1万人」なのか、なぜ「8,000人」ではないのか、などという疑問がありえよう。
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。