東京大学名誉教授 大森 彌
定数12人の群馬県榛東村の議会が、2021年12月1日、会議規則の改正案を全会一致で可決し、赤ちゃんを育てる議員が、議会の開会中でも授乳やおむつ替えなどの育児の時間をとれることとなりました。この改正は、今までに例がない仕組みだ、と多くのマスコミが報道しました。報道では、改正条文自体は伝えられませんでしたので、直接、榛東村議会事務局に教えていただきました。ちなみに、村議会は、定数の12人中、男性議員が8人(無所属7人、公明党1人、5期が1人、3期が1人、2期が4人、1期が2人)、女性議員が4人(全員無所属、5期が1人、2期1人、1期2人)という構成になっています。
新設の条文
今まで(現行)の会議規則では、「議員は、招集の当日開会定刻前に議場に参集し、その旨を議長に通告しなければならない」(1条の2)のですが、2条で「議員は、公務、傷病、出産、看護、介護、育児、配偶者の出産補助、弔事、災害その他やむを得ない理由により会議を欠席するときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。2 前項の規定にかかわらず、議員が出産のため会議に出席できないときは、出産予定日の6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)前の日から当該出産の日後8週間を経過する日までの範囲内において、その期間を明らかにして、あらかじめ議長に欠席届けを提出することができる。」となっています。
今回の改正は次のとおりです。
第2条の次に次の1条を加える。(育児時間)第2条の2 議員が生後満1年に達しない子を育てる場合は、会議中に2回それぞれ少なくとも30分、その子を育てるための時間(以下「育児時間」という。)を議長に請求することができる。ただし、会議時間が変更されたときは、この限りではない。2 議長は、前項の請求があったときは、休憩するものとする。3 育児時間の請求は、文書又は口頭をもって行う。附 則 この規則は、令和3年12月1日から施行する。
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。