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2020.01.10 議会改革

自治体の予算とはそもそも何か(上)(特集2)

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江東区福祉推進担当部長 武田正孝

 自治体の予算は、お金の出入りの予定(見積り)である。家計に例えるならば、1年間の「収入と支出の予定」を決めておくことともいえる。当然のことながら、あくまで予定なので、必ず実績がそうなるとは限らない。  
​ しかし、予算を決めるということは、「どの分野にどれだけ支出するのか」、「景気を踏まえ、どの程度の税収を見込むか」など、自治体の運営方針や認識を示すことであり、非常に重要なものとなっている。では、この予算とはそもそも何かを整理してみたい。

1 予算とは何か~当初予算と補正予算を比較して~

 予算を理解するには、まず「当初予算」と「補正予算」の区別から考えると分かりやすい。「当初予算」とは、会計年度前に議会に提出され、議会の議決を経て成立する予算で、当該年度の基本的な予算である。「補正予算」とは、当初予算編成後に予算の追加や変更を行うために編成される予算である。当初予算・補正予算ともに議会の議決が必要となる(地方自治法(以下「法」という)96条1項2号)。

(1)当初予算  
​ 当初予算とは、文字どおり年度当初の予算のことをいう。例えば、令和2年度当初予算であれば、通常、当該年度前である令和2年3月に議決して決定される。当初予算は、首長が記者会見を行ってマスコミ向けに発表したり、新聞報道されたりすることが多い。このため、当初予算が当該年度のすべての予算のように思えるが、通常は年度途中に追加して予算を編成する(補正予算)。

(2)補正予算  
​ 補正予算とは、当初予算編成後の年度途中に、予算の追加や変更を行うために編成される予算。補正予算を編成する理由は様々あり、例えば、急きょ、経済対策として新たな事業を行うことになった、国が新たな事業の実施を発表して自治体としても予算化が必要になった、災害が発生したなどがある。当初予算編成時には想定できなかったものや、予算化が困難だったものが対象となる。  
 なお、この場合の財源(歳入)は、基金を取り崩したり、地方債を発行したり、前年度の繰越金を活用したりと様々である。  
 また、補正予算は必ずしも予算の増額だけとは限らず、減額することもある。例えば、当初予算で予定していた事業が、災害のため事業の実施が困難になり、その分を減額するなどの場合もある。

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この記事の著者

武田正孝(江東区福祉推進担当部長 

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