東海大学文学部広報メディア学科教授 河井孝仁
はじめに
「一匹の亡霊がこの国の自治体を徘徊(はいかい)している。シティプロモーションという亡霊が」という言葉が適切だろうか。
地方創生という美名のもとに、費用対効果が十分に検証されていない施策が「シティプロモーション」として、全国各地で行われている。首長と二元代表制を形成する一方の極である議会に、こうした無駄遣いにもなりかねない政策への的確な批判が求められる。
シティプロモーションと名付けられ、行われている政策は数多い。動画編集業者に委託してつくられた自治体動画、広告代理店などに依頼してのキャッチフレーズとロゴの制定、萌(も)えキャラがにこやかに笑うポスター、首長部局が自治体の「色」を定め、その色の服を着る職員とその色に塗られた構造物、そしてイベントの数々。
それらに使われる税金は、どのように説明可能なのか。地方自治体の存在目的は、地域に関わる人々の持続的な幸福をつくり出すことだろう。シティプロモーションとして行われている政策が、なぜこの目的の実現に資するのかを十分に検討しなければならない。
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