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2019.01.28 議会改革

なぜ議会改革が必要なのか[PR]

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 議会改革度調査や議会改革度ランキングなどで知られる、早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会の新刊『66の改革項目と事例でつかむ 議会改革実践マニュアル』(第一法規刊)が2019年1月18日より発売開始しました!以下、抜粋してご紹介します。

1  なぜ、議会改革が必要なのか

( 1 )地方自治体を取り巻く厳しい社会環境
 近年、地方自治体を取り巻く環境は急速に変化しています。その一番の要因は、日本が人口減少社会に突入したということです。2030年には、すべての都道府県で人口が減少し、2045年までに総人口は1 億642万人になるという予測が出ています。参議院議員の選挙区では、鳥取県と島根県、高知県と徳島県が合区となり、これまで手が付けられていなかった都道府県の仕組みさえも、聖域ではなくなってきました。
 人口減少と低調な日本経済が地域間格差を拡大させ、地方から活力が失われつつあるという指摘があります。わが国の自治体規模は多様ですが、人口分布には顕著な傾向が見られます。東京を中心とした首都圏では、人口が増えている地方自治体が一般的であるのに対し、それ以外の地方自治体では人口減少に歯止めがかからず、共同体機能を失った限界集落が1 万か所をこえるまでになりました。少子高齢化がこのまま進むこともあり、2040年までに900近い地方自治体がなくなるという「自治体消滅論」まで登場しました。

( 2 )地方分権改革
 こうした地域間格差は、地方分権との関連でどのように考えればよいでしょうか。地方分権の契機となったのが、2000年4 月に施行された地方分権一括法でした。この法律は、地方自治法を中心に、475本もの法律を一度に改正する大がかりなものでした。国と地方の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に転換し、住民にとって身近な行政は、できる限り地方が行うことになりました。具体的には、「国の出先機関」であった機関委任事務が廃止され、地方自治体が処理する事務は、自治事務と法定受託事務に再編されました。
 地方分権一括法により、国と地方の大枠の関係が整理されると、地方分権の流れに沿って、基盤整備が行われました。中でも、2007年に地方分権改革推進委員会がとりまとめた「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方」は、かなり踏み込んだ内容の提言を行っています。そこでは、「地方が主役の国づくりを実現するには、自治行政権、自治財政権、自治立法権を十分に具備した地方政府を確立する必要がある」という方針が示されました。これは、これまでの中央と地方の「上下・主従」の関係ではなく、「中央政府」と「地方政府」が対等な関係になることを意味しています。

( 3 )議会機能の強化へ
こうした一連の改革により、地方自治体はさまざまなことを自分で決められるようになりましたが、同時にその責任も重くなったといえます。これまでは、何か失敗があったとしても、国がそれをカバーしてくれましたが、成功することも失敗することも自己責任となったのです。中央集権下における「国対地方」の対立構造の中では、地方がすることにはあまり関心が向けられてきませんでした。しかし、地方分権が進むと、これまで表に出てこなかった地方自治体の運営にもチェックが入ることになります。首長と地方議会の関係の見直しも必要となるでしょう。そこで、重要となるのが、地方議会の役割です。
 地方自治体では、ともに住民から選出された代表である首長と地方議会が車の両輪となって地方自治を推進するという「二元代表制」の仕組みが採用されています。日本国憲法93条では、地方議会は、地方自治体の意思を決定する「議事機関」として位置づけられ、同94条では、地方の自主立法である条例の制定権を地方議会に付与しています。これらの規定がもつ意味は、とても重いものです。地方自治体の意思を決定する最終責任は、首長ではなく、地方議会にあるのです。

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◆書籍情報
『66の改革項目と事例でつかむ 議会改革実践マニュアル』(1/18発売開始)66kaikaku
早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会 (編著)(定価2,700円 (本体:2,500円))
 
 議会基本条例制定から10年以上が過ぎ、新たなステージに進んだ議会改革。早稲田大学マニフェスト研究所が毎年実施する「議会改革度調査」の最新データをもとに、地方議会の現状と課題、先進事例、実践手法を項目ごとにわかりやすく解説します。この一冊で、議会改革度調査の考え方がわかるとともに、現在の議会改革の先進例や到達点をつかむことができます。

◆ご購入はこちらからどうぞ

この記事の著者

早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会

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