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2017.12.11 議会改革

議会改革の第2ステージと議会技術研究会

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北海道自治体学会議会技術研究会共同代表 西科純

議会技術研究会設立の経緯、目的

 2006年の北海道栗山町議会基本条例の登場から10年を経過し、全国で780もの議会が同条例を制定するなど、この類いの条例制定としては驚異的な数となっています。これらの動きは、大きくは3つの柱からのものであり、1に「議会への住民参加化」、2に「住民への議会情報の共有化」、3に「議会運営における機能強化」とし、これらを「議会改革の第1ステージ」とする向きがあります。では、「議会改革の第2ステージとは何か」といえば、迷わず筆者は「政策議会への突入」と答えるでしょう。
 筆者は、平成28年3月末までの5年間、北海道芽室町議会事務局長を務めました。その後、「北海道内の市町村議会、議員、事務局職員の力になりたい」と、栗山町議会基本条例の起草に関わった渡邉三省氏(札幌市職員)とともに同年11月5日、議会技術研究会を立ち上げました。渡邉氏と筆者が共同代表に、事務局長は阿部忠彦氏(千歳市職員)、顧問は地方自治研究の第一人者である神原勝氏(北海道大学名誉教授)と辻道雅宣氏(北海道地方自治研究所主任研究員)が務め運営を担っています。会員も徐々に増え96人を数えます(平成29年11月末日現在)。
 当研究会の設置目的は、「市民自治を基調に自治体議会の力量を高める観点から、議会理論と議会実務を媒介する、普遍性ある議会技術を豊かに構想・開発することによって、『実務をふまえた理論』の形成と『理論をふまえた実務』の構築をめざす」と会則で定めました。
 当研究会の名称は、「行政技術研究会」(東京)を意識したものです。同研究会は、かつて松下圭一氏(故人・法政大学名誉教授)のもとに心ある多摩地域の自治体職員が参集し、初期の「通達研究会」以来、行政現場の実態を踏まえ、改革理論と改革方策を組み立てました。研究対象やメンバーを広げて「行政技術研究会」と改称し、長い活動の歴史を経て現在に至っています。同研究会の理念は、「自治体理論は現場の実務に落とし込めるように理論形成しなければ実効性はなく、実務もまた理論に昇華できるような仕事を志さなければ普遍性を持った実務とはいえず、この両者の課題に共通するのが技術であって、理論における実務化の技術と実務における理論化の技術が現場を踏まえて行われるとき、はじめて両者は融合可能となり改革が促進される」という考えに基づきます。

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この記事の著者

西科純

北海道自治体学会議会技術研究会共同代表、芽室町税務課長。芽室町役場入庁後、北海道庁・北海道町村会派遣を経て、企画財政課長・住民生活課長・子育て支援課長・議会事務局長・税務課長を歴任。主な著書に『自治体議会の政策サイクルー議会改革を住民福祉の向上につなげるために』(共著、公人の友社、2016年)などがある。自治体学会会員(前運営委員)、北海道自治体学会会員(前代表運営委員)、議会事務局研究会会員、g-mix会員。北海道大学大学院法学部法学研究科修了。1963年生。

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