議会事務局実務研究会 吉田利宏
お悩み(「議会は休まない」さん 60代 市議会議員)
議会活性化委員会の委員をしております。議会では、これまで文書質問が行われていなかったのですが、議会基本条例と会議規則を改正して、これを位置付け、さらなる議会活性化策につなげたいと考えています。年4回の定例会の谷間にも文書で執行部の考えを質(ただ)すことは重要なことです。議会事務局は閉会中には議会活動はできないといいます。しかし、議会は閉会中でもその役割を放棄すべきではありませんし、議会としてではなく個々の議員が執行部に質問することは問題がないと考えていますが、いかがでしょうか。これまでも個々の議員が閉会中に執行部側に事実の問合せをすることがしばしばありました。
回答案
A 議員個人と執行部との問題であり、議会の活動とはみなされず、特段の問題はない。
B 議会の活動能力が会期中に限られるとの地方自治法上の規定はなく、閉会中であっても緊急の事態に係る質問であれば議会の役割として当然認められる。
C 閉会中は議会の活動として文書質問はできない。会期中に行うか、通年の会期に移行して行うべきである。
お悩みへのアプローチ
あっという間に文書質問の制度が広がっています。これは、議員が執行部側に文書で質問を行うものです。自治体議会では質問といえば「口頭」が原則ですが、この質問はまさに「文書」で行うところがポイントです。質問された執行部側は決められた期間内に調査し、やはり、文書で回答しなければなりません。
文書質問を定める議会基本条例の規定には、次のようにあえて閉会中にも行える旨を定めているものがあります。
◯××市議会基本条例
(会期中・閉会中の市長への文書による質問)
第9条 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して市長等執行機関及びその職員に対し文書質問を行い、文書により回答を求めることができる。
文書質問を行うことは、行政への監視機能の面からは望ましいことです。ただ、問題は「閉会中に行えるか」ということです。「いいことなのだから、そんな些細(ささい)なことは目をつぶれよ!」。文書質問の問題点を指摘する事務局職員に、ときにはこんな趣旨の発言が議員から投げかけられることがあります。しかも、それが改革派とされる議員からの発言であることも多く、事務局としては、それ以上、強くいえず、結局、指摘がうやむやにされる例があるはずです。察するに「議会は休まない」さんの議会でも同じようなやりとりがされたのではないでしょうか。
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