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2014.11.10 選挙

調査分析 地方議会は有権者にどう見られているのか(上)

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議会のイメージを変え、有権者の信頼を取り戻す

 本調査は、議員や議会についても聞いている。Q4「首長や議員の信頼度」では、地方議員に対して「信頼できる」、「どちらかというと信頼できる」と答えたのは、都道府県議員で6.3%、市区町村議員で7.1%と、10%にも満たない。さらにいえば、知事は21.7%、市区町村首長は14%と、議員は首長よりも信頼度が低いと思われていることがわかる。
 また、Q6では、「地方議員に対して有権者が持つ印象」を、「その通りだ」、「そうではない」という選択肢で選んでもらった。一番回答が多かったのは、「何をしているわからない」が56.1%、続いて「いてもいなくても同じだ」34.9%、「支援団体の利益を考えている」24.7%が続いた(図3参照)。ここでは、「地域の面倒をこまめにみている身近な存在」に対して「そうではない」という否定的な印象の回答が比較的多いことも指摘しておきたい。もちろん支援団体の利益を考える議員の役割は否定しないが、多くの有権者にとっては「支援団体の利益」を調整するが、「地域の面倒をあまりみてくれていない、身近ではない存在」で、「何をしているかわからない」ので、「いてもいなくても同じ」、結果として信頼度が低いという状況に陥っている。これでは地方分権時代の議会を担う議員としては不適格といわざるを得ない。今あるイメージを変え、議会・議員への信頼を回復することが急務だといえる。

図3:地方議員に対して有権者が持つ印象

今回の不祥事を、
議会を変えるチャンスにする

 以上、今回の不祥事が及ぼした有権者への影響について、調査結果を基に解説した。不祥事により、有権者側には、議会にもっと関心を持とう、選挙でしっかり議員を選ぼうという意識変化が見えてきている証左が見て取れたと思う。一方の議員や議会は、意識を変えることができたか。今後は、こうした有権者の意識の変化を正面から受け止め、有権者の立ち位置に立った議会改革や普段の活動で、「何をしているかわからない」議会を変え、「いなくてはならない」存在になり、地方分権時代の政策型のイメージに議会・議員を塗り替えていく必要がある。議会の不祥事の影響で、そんな地方議員の自発的な変化が、自分たちの議会を変え、地域を変えていくきっかけになることを期待する。
 次回は、引き続き調査結果をひも解き、選挙で政策を伝えることの是非や、有権者にどんなツールを使って、何を伝えていくのが効果的な手法なのか、など、具体的な方策を紹介していきたい。


⑴ ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟は、政策立案を行う「政策型議員」を目指す超党派の地方議員ら約500名の団体。地方政治の政策コンテスト「マニフェスト大賞」を企画・運営。来春の統一選に向けて地域勉強会を毎月開催中。HP:http://www.local-manifesto.jp/gikaigiin/

調査分析 地方議会は有権者にどう見られているのか(下)

青木佑一(早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会)

この記事の著者

青木佑一(早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会)

早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会 1985年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒、同大大学院公共経営研究科修了。選挙サイト、世論調査会社勤務を経て、株式会社パイプドビッツ「政治山」で行政・議会・議員を対象に記者職、選挙情勢調査・分析に従事。現在、早稲田大学マニフェスト研究所で議会改革、選挙事務改革、人材マネジメント部会を担当。 Facebook:yuichi0613

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