監査委員制度の概要と議選監査委員の役割
監査委員の役割は「地方公共団体の財務事務の執行や経営に係る事業の管理について監査を行わなければならない」とされているほか、行政事務一般についても監査を行うことができ、監査委員の監査は、これら事務の適法性、能率性の確保を図る観点から行われている。平成29年の地方自治法改正により議会選出の監査委員が選択制となり、自治体ごとの判断が可能となった。これに伴い、議会内で議選監査委員の選出について議論が進められた。その結果、多くの議会で制度維持が決められたが、議選監査委員の選出には賛否両論がある。
議選監査委員を設置することのメリット・デメリットについては、各地議会や地方制度調査会などで議論されているが、議選監査委員は短期交代(1年)することが多く、監査が形式的になりがちとの批判が多くある。従来、議会三役といわれる議長・副議長・監査委員は名誉職との認識があり、議会内の申合せにより短期で交代する議会は少なくない。監査委員は、正副議長を経験した議員の名誉職的な地位と捉えることが多かったが、本来は議長・副議長を務めた経験を生かし、スキルの高い議員にその役割を果してもらいたいという背景があるのではないか。ややもすると周囲から監査委員は「閑職」という間違った認識を持たれることになる。「監視する」という役割を担う議会と「監査する」という監査委員との連携がなされてこなかったこともその要因の一つだと推察される。
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