2025.12.10 New! 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その88)
■基本法務編(2024年9月29日第15回検定出題問題)
問 A町では町外の企業であるB社がA町内に産業廃棄物処理施設を設置することを計画していることがわかった。A町の住民Cらは、B社に対して不信感を持っており、同計画に対して反対運動をはじめた。Cらは、反対運動の一環として、Cを請求代表者として、産業廃棄物施設の設置に関する賛否を示すための住民投票条例(本問において、以下「本件条例」という)を制定することを直接請求しようと考えている。このような状況において、本件条例に関する次の記述のうち、判例に照らし、妥当でないものを1つ選びなさい。
① 本件条例の制定を求める直接請求においては、A町の議会の議員及び長の選挙権を有する者の50分の1以上の者の連署を1ヶ月以内に集めることが必要とされる。
② 本件条例の制定を求める直接請求は、Cから、A町の町長に対して行われ、町長は請求を受理した日から20日以内に議会を招集し、意見を付けてこれを議会に付議しなければならない。
③ A町の町長が、本件条例の案が違法であると判断した場合、原則として、A町の町長はCに対して請求代表者証明書の交付を拒否することができるとするのが判例の立場である。
④ 本件条例において、住民投票の資格を有する者を、日本国民たるA町の住民に限定し、外国籍である住民を排除しても、違憲又は違法ではないとするのが判例の立場である。
■政策法務編(2024年9月29日第16回検定出題問題)
問 都道府県条例と市町村条例が競合する場合の取扱いに関する次の記述のうち、妥当でないものを1つ選びなさい。
① 理念型・給付型といわれるようなタイプの条例の場合には、同一事務領域・同一事項について都道府県条例と市町村条例が併存した場合でも、両条例に矛盾抵触の関係は生じない。
② 権利義務に関する事項で都道府県と市町村の条例が併存競合する場合、矛盾抵触が生じる可能性があるので、双方の条例の関係を整理する必要がある。
③ 規制条例間の競合関係を解消する方法として、都道府県条例の同一事項について市町村条例による上乗せ・横出しを認めることが考えられる。
④ 規制条例間の競合関係を解消する方法として、都道府県条例に適用除外規定をおくのは違法であるため、あらかじめ条例制定の段階で互いに協議を行い、調整を図ることが適当である。
⇒答えは次ページ
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○自治体法務検定の概要 自治体法務検定委員会委員長 塩野宏東京大学名誉教授 主催:自治体法務検定委員会(一般財団法人 日本通信教育学園) 協賛:株式会社 時事通信社 後援:総務省及び全国知事会など地方6団体 ウェブサイト:http://www.jichi-ken.com/ |
