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特集 創生する議会基本条例 ―これからの議会のかたち

2025.11.25 条例

新しい議会基本条例にトライしたらどうでしょうか

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これからの議会基本条例のポイント

 私見になるが、これから議会基本条例を検討する際のポイントを指摘したい。
 第1に、「紋切型」から「物語型」への転換がある。どの議会基本条例も同じ形ということは、何度か言及した。議会基本条例の世界においては、いくつかの「モデル条例」が存在しているようである。筆者は、モデル条例(紋切型条例)から脱却し、地域ならではの歴史や理念を内包したストーリー型条例(物語型条例)の議会基本条例があってよいと考えている。
 第2に、議会は住民等との連携を意識する必要がある。このことを筆者は「議会共創」と表現したい。議会共創とは、「議員が住民等と同じ目標を共有し、相互に共感しながら、まちづくりを進めていくこと」と定義できる。なお、共創する相手は市民だけではない。大学生や大学、民間企業等も該当する。
 議会共創を進める手段として、意見交換会、議長への手紙、表彰制度等が該当する。また、ICTを活用した意見募集などでアクセシビリティを高めることにより、住民等の関与の機会を増やすことも考えられる。
 第3に、未来の議員育成と主権者教育の連動が求められる。例えば、議会主導の子ども議会や若者議会を開催することも一案である。議会報告会の対象者を中高生に限定してもよいだろう(筆者が関わっている藤沢市議会は、中高生限定の議会報告会を実施したことがある)。議会基本条例に主権者教育を明記し、法的根拠を持って、積極的に進めていくことも重要である。

* * * * *

 本特集は、太子町議会が制定した「和のまちをつくる太子町議会基本条例」を題材として、これからの議会基本条例の新しい形を検討してきた。読者にとって何かしら参考になれば幸いである。
 最後に「小学生がなりたい職業」に関し、議員(「政治家・議員」という選択肢)は第58位である。0.2%という数字であるため、1,000人いると2人しか議員になりたいと思っていないことになる。この数字の捉え方は、人により異なると思う。筆者は、低すぎると考えている。議会基本条例により、議会が住民にとって身近になり、小学生のなりたい職業のポイントが上がっていくことを願う。

(1) 自治基本条例は一見すると同じ形に見えるが、テキストマイニングすると、多少は違いが見えてくる。図3は4自治基本条例のテキストマイニングのワードクラウドである(近隣自治体を選定した)。ワードクラウドとは、テキストデータの中の単語を出現頻度に合わせて大小をつけて視覚化する手法である。単語を見える化すると、同じ自治基本条例でも多少の違いが分かる。一方で、議会基本条例をテキストマイニング(ワードクラウド)すると、ほとんどが同じ結果となる。
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図3 自治基本条例のテキストマイニング

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