【コーディネーター】
関東学院大学法学部地域創生学科教授 牧瀬 稔
【パネリスト】
太子町議会議員 出原賢治
太子町議会議員 中薮清志
〈パネルディスカッション〉(続き)
牧瀬 続いて論点2に入ります。議会基本条例を考えていきます。「和のまちをつくる太子町議会基本条例」を制定して、現時点で、良い点、改善すべき点は何ですか。出原さん、中薮さんの順番でお願いします。出原さんは、既に同条例の経緯や特徴などはお話しされているので、そこで触れていない内容をお話しください。
出原 議会基本条例の良い点は、条例を制定したことで議会の目指す姿や改革すべき課題が明確になったことだろうと思います。条例が指針となって、問題意識を共有できる側面があります。
半年前に制定したときに、その時点で考えられる最良のものとなっていますので、現段階での改善点はよく分かりませんが、まずは決めたことを確実に実行していくのが今のステージだと考えています。
中薮 良い点は、議論を重ねて全員の意見を集約し、同じ方向を向いて一つのものを形にできたことです。また、改善というわけではありませんが、議会基本条例が制定されたばかりなので、もっと各議員がこの条例に親しむことかと思います。
牧瀬 「和のまちをつくる太子町議会基本条例」の存在が、太子町議会の芯を強くしたということでしょうか。議会基本条例の存在により、ブレない議会、強い議会、持続可能性を担保した議会へ変貌したということが、お二人の発言から指摘できそうです。
一方で、気になるのは、議会基本条例の制定過程における執行機関との調整です。議会基本条例を検討する際に、町長部局と何か調整は行いましたか。また、議会基本条例の制定後、町民や執行機関の反応はどうですか。
中薮 議会のこととはいえ、執行部ともしっかり調整を行いました。予算や町長の権限に関わることなどは、こちらからも投げかけて協議を行いました。制定したからどうだということはありませんが、話のきっかけにはなります。服装の自由化もうたっているのですが、TPOは考えないといけないと思いますね。
出原 条例案の段階で執行機関とも共有し、意見も聞きながら進めました。クレームがつくことは少なかったと思います。条例制定後になりますが、執行機関側の反問権について(8条5項)、これは会議規則に以前からあったものですが、改めて周知してもらうよう働きかけました。
目立った反応というものは、まだ感じません。議会基本条例を活かして成果につなげることが大切ですが、まだそこまで至っていないということだろうと思います。
左:出原議員、右:中薮議員
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