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特集 創生する議会基本条例 ―これからの議会のかたち

2025.11.25 条例

新しい議会基本条例にトライしたらどうでしょうか

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特徴的な条文〈その2〉

 ゼミナール生の考えた特徴的な条文だけでは物足りないかもしれない。そこで、筆者が提案する条文をいくつか紹介したい(現時点では採用されていないようだ)。
 例えば、議会基本条例に「議会基本構想」(議会総合計画)の策定を義務付ける条文があってもよいと考えている。執行機関には、自治基本条例とリンクして、行政計画として最上位計画に「基本構想」がある。そして、基本構想の下に基本計画、実施計画と続く。議会基本条例があるならば、当然、計画として「議会基本構想」があってもよいだろう(図1)。しかし、現時点においては、そのような条文はない。
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図1 議会基本構想のイメージ図

 また、「議会の執行機関への立入調査権」を用意してもよいと考える。これは、議会の監視機能を強化することになる。さらに、議会への「寄附規定(寄附条例)」を明記すれば、議会の予算権が実質的に(少しであるが)担保される。
 新型コロナウイルス感染症により、事業の機動性が求められた。そのためには財源が必要である。しかし、多くの議会は活動できなかった。そこで、議会基本条例に「予備費の活用」を書き込むことも一案である。
 図2のような条文規定を用意する。図2の1項は、予備費の確保を規定している。あくまでも市長(首長)が予備費の確保を行うため、執行機関の予算編成権は侵害していない。2項は、議会が予備費の活用を求めたいときは、事前に市長(首長)と議会が事前協議することを規定している。事前協議の場で、議会から予備費の活用を具体的に依頼する。議会が予備費の活用を直接的に執行するわけではない。つまり執行機関の執行権も侵害していない。
 ただし、協議が不調に終わり、議会の思うとおりに予備費が活用できないケースも想定される。そこで3項を用意している。3項により、市長(首長)は議会の予備費活用の提案を反映しなくてはいけなくなる(反映しない場合は、議会基本条例という法的根拠を軽視したことになる)。
 なお、予備費は地方自治法217条が法的根拠になる。同条文に基づき、自治体は予備費を用意している。具体的には、予期しない支出が生じたときに使用し、予算超過の支出に活用することで、財政運営の効率化を実現する。
 議員の発想次第で、議会基本条例はますます進化していく。これからの議会基本条例は、進化を競争するものであってほしい。
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図2 議会基本条例における「予備費の活用」の条文案

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