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特集 創生する議会基本条例 ―これからの議会のかたち

2025.11.10 条例

議会改革の柱としての議会基本条例

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国立市行政管理部長 黒澤重德

1 議会改革の柱としての議会基本条例

 議会基本条例は2006年、北海道栗山町において全国で初めて制定された。町民や団体との意見交換のための会議設置、請願・陳情を町民からの政策提案として位置付け、議案に対する議員の賛否の公表、議員の質問に対する町長や町職員の反問権の付与などが特徴として盛り込まれている。神原(1)は、栗山町議会における議会改革の動機と背景として、地方分権一括法の施行により地方公共団体の事務が全て自治体の事務(自治事務・法定受託事務)となったことによる議会責任の増大、バブル崩壊後の税収減などによる財政事情のひっ迫に起因する議会改革の加速化の要請、「選挙のとき以外に議員や議会の姿が見えない」との住民の批判と議会によるその受容があるとした。
 この栗山町議会基本条例が嚆矢(こうし)となり、議会基本条例の制定は全国の議会に広まっていき、牧瀬稔先生の集計(牧瀬稔「新しい議会基本条例に期待して:『something new』を考えたらどうだろうか」(2025年9月10日号))によれば、2025年3月末では1,030議会で制定されている。そのうち、市議会では全国市議会議長会の調査によれば、2024年12月31日現在、591の議会(72.5%)で制定されている。牧瀬先生は「未制定の議会を対象に、議会基本条例がブーム化する可能性はある」と述べられているが、条例を制定するということは、その内容について遵守することが当然に義務付けられる。すなわち、議会基本条例においては、議会が議会改革を実践する義務があることを意味する。議会はこのことを常に念頭に置き、実践する必要があろう。
 本稿では、筆者が勤務する東京都国立市の国立市議会による「国立市議会基本条例」、前号まで掲載の兵庫県太子町議会の「和のまちをつくる太子町議会基本条例」、そして議会基本条例を基に様々なガイドラインが整備されている岩手県奥州市議会の「奥州市議会基本条例」を中心に取り上げる。なお、本稿は筆者の私見であり、所属する組織の見解ではない。
1

表 国立市議会、太子町議会、奥州市議会の議会基本条例

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