牧瀬 「和のまちをつくる太子町議会基本条例」を活用して、太子町だけに限定されず、地域社会を良く変えていくという意気込みを知りました。同条例を契機として、少しずつ地域社会を良く変えていく、それは、池に石を投げると、水面に波紋が広がります。このようなことを意図しているのだと思います。太子町が変わり、兵庫県が変わり、関西が変わり、日本が変わっていく……、そんな意気込みを感じました。
「和のまちをつくる太子町議会基本条例」は、今までに見られない議会基本条例だと思います。令和の時代にふさわしい「和」を基調とした議会基本条例です。
もちろん「和」のまちをつくることは、太子町議会だけでは不可能です。町民をはじめ多様な関係者との共創が求められます。その意味では、町民とともに和をつくっていく条例といえそうです。
今回のパネルディスカッションは、「ヤバい議会基本条例の制定とこれから:議会基本条例、一石投じて変わる百年先の議会」をテーマに進めてきました。
太子町議会の「和のまちをつくる太子町議会基本条例」は、太子町議会自らが信じる議会の理想の姿に進むため、勇気をもって踏み出した条例といえそうです。
同条例には、既存の議会基本条例には見られない要素が多く含まれています。その意味で、かなりのヤバさがあります。このヤバさをネガティブに捉えるか、ポジティブに感じるかは、皆さん次第です。しかし、私は前向きに評価したいと思います。
同条例は、議論を巻き起こす可能性があります。しかし、議会基本条例の新しい形態を提供する契機になるとも考えています。その意味で、私は「和のまちをつくる太子町議会基本条例」を大いに評価しています。
当たり前ですが、「和のまちをつくる太子町議会基本条例」を制定したら終わりではありません。条例は活用(運用)してこそイノベーションを起こすきっかけとなります。私なりに、同条例がどのように運用されたのかをチェックしていきたいと思います。
以上でパネルディスカッションを終わります。出原さん、中薮さん、フロアの皆さん、ありがとうございました。
左:松浦崇志前太子町議会議長、右:牧瀬稔関東学院大学教授
