自治体総合フェアの様子
牧瀬 お二人の発言から、議会改革を進めるエンジンとして「議会基本条例」を位置付けた、ということが理解できました。また、議会基本条例を検討することで、太子町議会の議員の思いが一つになったと推測しました。
議会改革は、様々なゴールがあります。また、議員の捉える議会改革は多々あります。そこで「まずは議会基本条例を制定する」というゴールは明快ですし、議員一人ひとりが同じ方向を目指して進むことにつながります。「議会改革は議会基本条例の制定から」というのは、ありかもしりません。
続いての質問です。太子町議会について、議会改革の成果は何だとお考えですか。中薮さん、出原さんの順番でお答えいただけますか。
中薮 議会改革の一つの見える成果に「議会報告会」があります。ただし、議会報告会は嫌悪されていました。その理由は、過去、議会報告会を実施したところ、議会と町民の対立関係になってしまったからです。その議会報告会を藤沢市議会が実施している「カフェトークふじさわ」(https://gnv-jg.d1-law.com/login/article/20160825/6450/)を参考にして、議会と町民の意見交換という形式で開催し、私の中では成功していると感じていることです。
出原 議員同士の関係性においても、全員参加の委員会で協議を重ねてきた結果として、議論を尽くそうとする土壌や改革に向けたマインドといった点で良い影響があったと思います。
議会改革自体も、この2年間でかなり進んでいると自負していますが、それが目覚ましい成果として誰の目にも見えるようになるには、まだ多少の時間がかかるのではないでしょうか。
牧瀬 議会報告会を実施したところ、議会と住民との間にハレーションが生じるというのは、よくあるようです。ハレーションが起きた議会から、私のところに「何とかしてほしい」という相談が来ます。
議会報告会は、議会と住民の信頼関係をつくるはずなのに、むしろ双方に不信感が生まれてしまい「決別した」という事例は少なくありません。その意味で、意見交換という形式で、かつワークショップ方式を採用すると、議会と住民双方が大きな満足感や達成感を得て終えることができるようです。
また、繰り返しになりますが、議会改革を始めるには、助走期間が必要なようです。助走期間を長くとり、議員同士の中で、さらに強い信頼関係を構築し、同じ目標を共有することで議会改革が動き出すようなことを、中薮さんと出原さんのコメントから思いました。
(‘下’へ続く)
