自治体総合フェアの様子
出原 私は今2期目ですが、1期目の4年間では議会ICT化についての動きがありました。議会のICT化を検討する中で、現在、タブレット端末の導入が実現しています。今後も、議会ICTはさらに推進していかねばなりません。
しかし、本格的な議会改革の流れができたのは、2期目に入った後のこの2年間です。議会運営委員会での議論が契機でしたが、その後も中薮さんや同期議員で前議長の松浦さんとも相当議論を重ね、今もまだその途上にあります。
中薮 議会を取り巻く環境が変わってきている中で、「議会を変えていこう」と思っても、実際は変わらないことが多くありました。しかし、期を重ねるごとに政治信条は違っても、柔軟な発想やフットワークの軽い議員が増えてきたので、「変わらないといけない」が現実的になりました。
牧瀬 どの議会も同じと思いますが、議会改革を「始める」のに期間を要するということですね。少なくない議員は「議会改革をしなくてはいけない」と思っていますが、何をどうして進めていいかが分からない現状だと思います。そのため、一定の期間が必要なのだと思います。
もし、議会改革の機運を急激に高めていくと、強い反作用が起きることが多くあります。そして、その反作用に議会改革の勢いが負けてしまいます。しかし、ゆっくりと進めていけば、ある意味、反作用は弱いため、乗り越えることができます。
議会改革を「始める」には、ゆっくりと、かつ着実に前進していくことが重要ということをお二人の見解から学びました。
ところで、今日、どの議会も議会改革に取り組んでいますが、なぜ太子町議会において「議会改革をしよう!」と思ったのですか。こちらにつきまして、教えてください。
出原 議会はその役割を果たせているか、という問題意識ですね。もともとは、議員報酬や政務活動費など、議員の待遇改善を検討課題として考えていました。その際、例えば、議員報酬を上げるのならば、それに見合う活動を行うために、議会改革によってできることがあるはずだということです。それらはセットで行わなければならないという思いから、まずは議会基本条例の制定に着手しようという流れになっていきました。
中薮 どこの議会も感じていると思いますが、なり手不足や多様性への対応、個人的には芯の通った強い議会を目指すべきと考えています。その一歩目が議会基本条例だと思い、取り組みました。
