2025.09.10 議会運営
第100回 契約予定価格の公表
○議会に提出する工事請負契約に関する議案内容(行政実例昭和25年12月6日)
問 当市においては工事の請負契約に関する条例中に「第3条 予定価格が1千万円(現行令では1億5000万円)以上の工事の請負契約を締結しようとするときは、議会の議決を経なければならない。」と規定しているが、
1 議案には工事請負契約書案を提案しなければならないか。
2 契約書案の添付の必要がない場合は
一 工事請負の金額
二 契約の相手方の住所氏名
三 工事の場所、程度を明記すればさしつかえないか。
答1 別にその必要はない。
2 契約の目的、方法、金額、相手方等を明記すればよい。
入札を経て契約の相手方が事実上確定した後においては、予定価格や積算内訳の秘匿性はなくなり、逆に、契約内容の公正の確保の必要性が重要となるのであるから、議会の審議において契約に係る入札情報の請求があれば、執行機関はこれらを開示し、説明する責任があると解される。
○公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針(令和6年12月13日閣議決定)
第2 入札及び契約の適正化を図るための措置
1 主として入札及び契約の過程並びに契約の内容の透明性の確保に関する事項
(1)入札及び契約の過程並びに契約の内容に関する情報の公表に関すること
入札及び契約に関する透明性の確保は、公共工事の入札及び契約に関し不正行為の防止を図るとともに、国民に対してそれが適正に行われていることを明らかにする上で不可欠であることから、入札及び契約に係る情報については、公表することを基本とし、法第2章に定めるもののほか、次に掲げるものに該当するものがある場合(ロに掲げるものにあっては、事後の契約において予定価格を類推させるおそれがないと認められる場合又は各省各庁の長等の事務若しくは事業に支障を生じるおそれがないと認められる場合に限る。)においては、それについて公表することとする。法第2章に定めるもの及びこれらの情報の公表にあたっては、原則としてインターネットを利用する方法で行うものとする。なお、公表の時期については、令第4条第2項及び第7条第2項において個別の入札及び契約に関する事項は、契約を締結した後に遅滞なく公表することを原則としつつ、令第4条第2項ただし書及び第7条第2項ただし書に掲げるものにあっては契約締結前の公表を妨げないとしていることを踏まえ、適切に行うこととする。
イ 競争参加者の経営状況及び施工能力に関する評点並びに工事成績その他の各発注者による評点並びにこれらの合計点数並びに当該合計点数に応じた競争参加者の順位並びに各発注者が等級区分を定めた場合における区分の基準
ロ 予定価格及びその積算内訳
ハ 低入札価格調査の基準価格及び最低制限価格を定めた場合における当該価格
ニ 低入札価格調査の要領及び結果の概要
ホ 公募型指名競争入札を行った場合における当該競争に参加しようとした者の商号又は名称並びに当該競争入札で指名されなかった者の商号又は名称及びその者を指名しなかった理由
ヘ 入札及び契約の過程並びに契約の内容について意見の具申等を行う第三者からなる機関に係る任務、委員構成、運営方法その他の当該機関の設置及び運営に関すること並びに当該機関において行った審議に係る議事の概要
ト 入札及び契約に関する苦情の申出の窓口及び申し出られた苦情の処理手続その他の苦情処理の方策に関すること並びに苦情を申し出た者の名称、苦情の内容及びその処理の結果
チ 指名停止(一般競争入札において一定期間入札参加を認めない措置を含む。以下同じ。)を受けた者の商号又は名称並びに指名停止の期間及び理由
リ 工事の監督・検査に関する基準
ヌ 工事の技術検査に関する要領
ル 工事の成績の評定要領
ヲ 談合情報を得た場合等の取扱要領
ワ 施工体制の把握のための要領
○公共工事の入札及び契約の適正化の推進について(令和6年12月16日総行行541号)
Ⅱ.継続的に措置に努めるべき事項
6.低入札価格調査の基準価格等の公表時期の見直し(指針 第2 4(3))
低入札価格調査の基準価格及び最低制限価格については、その事前公表により、当該近傍価格へ入札が誘導されるとともに、入札価格が同額の入札者のくじ引きによる落札等が増加する結果、適切な積算を行わずに入札を行った建設業者が受注する事態が生じるなど、建設業者の真の技術力・経営力による競争を損ねる弊害が生じうること、地域の建設業の経営を巡る環境が極めて厳しい状況にあることにかんがみ、事前公表は取りやめ、落札決定以後の公表とすること。
予定価格についても、その事前公表によって同様の弊害が生じかねないこと等の問題があり、昨今においても予定価格の事前公表に起因した疑いのある入札談合が発生する等の問題が生じている。このため、事前公表の適否について十分に検討した上で、弊害が生じた場合には速やかに事前公表の取りやめ等の適切な対応を行うこと。
この際、入札前に入札関係職員から予定価格、低入札価格調査の基準価格又は最低制限価格を聞き出して入札の公正を害そうとする不正行為を抑止するため、予定価格の作成時期を入札書の提出後とするなど、外部から入札関係職員に対する不当な働きかけ又は口利き行為が発生しにくい入札契約手続や、これらの行為があった場合の記録・報告・公表の制度を導入すること等により、談合等に対する発注者の関与の排除措置を徹底すること。
