地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2025.09.10 議会運営

第100回 契約予定価格の公表

LINEで送る

【個人情報の保護に関する法律69条】
① 行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
② 前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
 3 他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。

 最後に、地方公共団体の契約に係る予定価格の公表について考慮する場合、「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(令和6年12月13日閣議決定)及び「公共工事の入札及び契約の適正化の推進について」(令和6年12月16日総行行541号)において、地方公共団体は契約に係る入札における予定価格について事前公表することは可能であるとしつつも、その事前公表によって弊害が生じかねないこと等の問題があり、昨今においても予定価格の事前公表に起因した疑いのある入札談合が発生する等の問題が生じているため、事前公表の適否について十分に検討した上で、弊害が生じた場合には速やかに事前公表の取りやめ等の適切な対応を行うこととしており、契約締結後においては予定価格や積算内訳の公表をすることが必要とされている。
 ただし、これらは住民に対する措置であり、議会の審議において契約の適法性等を確認するために、地方公共団体が業者等との間で仮契約を締結した後に予定価格や積算内訳を提示し、当該契約が妥当であることを示すことはありえると解する。
 また、行政実例昭和25年12月6日において議会の議決を経て締結すべき工事請負契約に関し、その議案の内容については、契約の目的、方法、金額、相手方等を明記すればよいとされていることから、議案においてあえて予定価格を表示する必要性はないとの考えがある。
 さらに、入札における予定価格は、これを探知された場合、入札参加者が入札に参加するに当たり極めて有利な基準を相手方に与えることとなることから、適正な入札の執行を担保するため、予定価格の秘密性は厳格に保たれる必要があるとされ、また、予定価格は開札後であっても、入札が不調に終わり、再度入札あるいは再度公告入札を行う場合、予定価格の範囲内で、随意契約により契約を締結する場合がありえるのであり、公表すべきものではなく、落札者が決定した後であっても、落札者が契約を締結せず入札を改めて執行しなければならないという場合も予想されるので、予定価格の秘密は保持される必要があるとされてきたことから、開示請求があったとしても開示することは適当でないという考えがある。それゆえ、契約での入札における予定価格の議会への開示は、契約締結後にのみ認められるという考えにより、この場合においては、議会が予定価格について資料の提出を要求した場合、正当な理由ありとして長は提出を拒否することができるという考えがある。
 しかし、議会が必要があると解すれば、自治法96条2項における事務検査権により予定価格や積算の内訳について資料要求することは可能であると解する。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年1216

山の手線開通(明治42年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る