5 政策サイクルの導入による成果と今後の課題
(1)導入による成果
決算審査が次年度予算につながるため、今後の政策形成を見据えた建設的な視点で議論を行うよう議員の意識に少し変化が生じてきたのではないかと感じています。
また、会派を超えて政策を練り上げるプロセスは、議員の政策立案能力を高め合う良い機会となっていると考えています。
(2)今後の課題
市議会では、4年に一度選挙があり、議員の入れ替わりが発生するため、この政策サイクルとノウハウをどのように継承していくのかが今後の課題です。
新人議員への研修を実施するなど、年数の経過により以前の提言内容やこの政策サイクル自体が形骸化しないよう、意識しながら運用するように心がけています。
6 おわりに
本市議会の「決算審査と予算審査を連動させる政策サイクル」は、「決算と予算の分断」という構造的な課題に対する一つの解決策を示しています。決算審査を過去の評価で終わらせず、次なる政策の「始点」として位置付けた発想の転換が好循環を生み出し、少しずつですが市民生活に直結する成果へとつながってきているのではないかと実感しています。
議会自らが課題を見つけ、政策を練り上げ、その実現まで見届けるという政策サイクルは、全ての議会に当てはめられるわけではないとは思いますが、どの議会にも共通して求められている「視点」ではないでしょうか。
最後に、本市議会の取組みが、少しでも皆様の参考になりましたら幸いです。
(1) 本市議会では、年間1会期制を採用しており、1年に近い会期の中に、従来の定例会に相当する「定例月議会」を年4回開催しています。
