4 政策提言のプロセスと実績
(1)政策提言が集約されるプロセス
政策提言づくりは、決算常任委員会の四つの分科会での議論から始まります。審査と議論を重ね、「政策提言に向けた論点整理シート」を取りまとめます。このシートは決算常任委員会全体会へと提出されます。全体会では、全委員による議論が行われ、複数の分科会にまたがるテーマや重要論点について議論を深め、最終的な提言内容を決定します。この集約プロセスを経ることで、一部の議員の意見ではなく、議会全体の総意としての政策提言が完成します。
(2)政策提言の実績
この政策サイクルを通じて、市民生活に直結する様々な施策や事業が生まれてきました。ここでは、その代表例を二つ紹介します。
ア 事例1:防災備蓄品の見直しと市民への啓発
令和6年に発生した能登半島地震では、防災備蓄品の重要性が注目されました。これを受けて「防災備蓄品の見直しと市民への啓発」の提言を行いました。この提言により、令和7年度の予算では、備蓄品の多様化により容量がひっ迫している防災備蓄倉庫の備蓄品の見直しや、新たな備蓄品の保管場所の調査などに関しての予算が計上され、新規事業が実施されることになりました。
イ 事例2:公園、緑地等の維持管理の在り方
公園の除草などは地域の自治会が行っている場合が多いですが、近年では、地域住民の高齢化と若者の流出による自治会活動の縮小により、公園の維持管理に手が回らない地域が増えています。このような現状を受けて、「公園、緑地等の維持管理の在り方」について提言を行いました。この提言を受けて、既存予算が増額され、公園の維持管理を造園業者へ委託することやボランティアに関する制度づくりの検討に取り組むことになりました。
図3 事例紹介「よっかいち市議会だより(令和7年2月定例月議会号)」より
