3 政策サイクルを支える工夫
この政策サイクルは、制度とその運用の工夫があってこそ機能します。理念だけでなく、具体的な仕組みとして議会活動に根付いているところが、このサイクルの重要なポイントです。
(1)委員任期の2年制
政策サイクルの実効性を担保するため、常任委員会の委員任期を原則2年としました。これにより議員は、1年目に自身が関わった提言の行方を、2年目も同じ立場で追いかけることができます。提言から予算への反映、そして執行状況の検証までを同じ議員が担当することで、審査に継続性が生まれています。
(2)議論の質を高める二つのシート
ア 「政策提言に向けた論点整理シート」:委員会での議論を見える化
8月の決算審査で使われるのが「政策提言に向けた論点整理シート」です。特定の事業について、行政への質疑、答弁の要旨や議員間討議で出された意見等を取りまとめます。議論を可視化することで論点が明確になり、これを基に政策提言を策定します。
イ 「提言チェックシート」:行政の対応を見える化
2月の予算審査では「提言チェックシート」を使用します。これは、議会の提言に対し、行政がどう対応したかを記載する様式です。議会はこのシートを基に、行政の対応を評価します。これにより、行政の説明責任を促すと同時に、具体的な事実に基づいた議論を深めることができます。
図2 「政策提言に向けた論点整理シート」と「提言チェックシート」
(3)議員間討議
本市議会では、議員間討議の活性化に力を入れてきました。これまで、議員が諸課題に対して意見交換を行い、政策立案機能の向上を目的とした議員政策研究会を設置したり、議員提案による政策条例を制定したりするなどしてきました。
政策提言を策定する際にも、行政の見解に縛られず、議員同士で率直に意見を交わして合意形成を図るため、積極的に議員間討議を取り入れています。
