Office aNueNue代表(元・福岡市財政調整課長) 今村 寛
スクラップ&ビルドではなくビルド&スクラップ
前回(2025年7月25日号)の寄稿では、自治体の財政運営の根幹である「財政が厳しい」という言葉の意味について、自治体の財政構造や状況、将来見通しから説明し、「財政健全化」の意味についても併せて述べたところです。
自治体の財政運営において「財政が厳しい」、「お金がない」というのは、政策の推進に要する財源が足りないということであって、この財源確保のために既存の施策事業を見直すことが「財政健全化」であると前回述べました。「財政健全化」は目的ではなく、政策推進のための手段にすぎません。
何を削る(スクラップ)かではなく、何を残す(ビルド)か。行革の手法として長年全国の自治体で取り組まれてきた「スクラップ&ビルド」ではなく「ビルド&スクラップ」、すなわち新たな政策の推進という目的意識を持って既存の事務事業を見直していくことで、どのようなまちの将来像を目指すのかについて市民の理解を得ながら必要な施策へと財源をシフトしていく財政運営が求められているのです。
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