2025.06.25 政策研究
第23回 「話し合い」のルールと合意形成
議員にとっての注意事項
ここでは、「話し合い」にとっての「議員の注意事項」について考えてみましょう。「注意事項」は、狭義の「『話し合い』にとっての『議員の注意事項』」と広義の「『話し合い』にとっての『議員の注意事項(=人にとって誰にも参考になる注意事項)』」から構成されています(図2参照)。
出典:筆者作成
図2 「話し合い」にとっての「議員の注意事項」の構造
〈狭義の「話し合い」にとっての「議員の注意事項」〉
(この項目については、後藤田(1994)からヒントを得たものがあります。)
- 役人は役所の窓からしか世間を見ていないことがあります。実際の世間は、議員や職員が見ているよりもっと広いものです。違った窓から見れば、また扉を開けて外に出れば、違った姿が見えます。
- 税制における公平性と効率性のバランスが確保されていないことがあります。
- 議員や職員は、議会や行政における越権行為を慎むことが求められます。
- 議員が執行部職員を勝手に使用すること(しようとすること)は、混乱をもたらします。
- 目的と手段を間違えないことが大切です。
- 威信や体面ばかりが強調されてはいけません。なぜなら、自己反省ができなくなるからです。
- 政治を志した者にとって大事なことは、人情の機微が分かるよう自分自身を修練することです。政治家が人の情を理解するとき、初めて人々はその政治家を信頼するものです。
- 正確な情報の収集と分析は虚心でなければできません。その虚心を維持するには、目的意識を明確に保ち、その目的に沿って正確に物事を推し進める姿勢が必要です。
- 議員は、自分や自分の支援者の考えに固執してはいけません。
〈広義の「話し合い」にとっての「議員の注意事項」(=人にとって誰にも参考になる注意事項)〉
- 過去を顧みない、未来志向だけでは、過去の悪い点を隠してしまいます。
- うそをつかないことが大切です。うそをつくには、それなりの理由があり、好き好んでうそをいっているわけではないと思われます。しかし、うそをついたらついたで苦労も生じます。うそが分かれば、それまでの信頼が崩壊してしまいます。
