2025.06.10 New! 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その82)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕③
〔解説〕この問題は、地方自治法の議会分野からの出題である。地方公共団体の議会は条例で定めるところにより通年の会期とすることが認められており(地方自治法102条の2)、①は妥当である。地方公共団体の議会には当該地方公共団体の公益に関する事件に対する意見書を国会又は関係行政庁に提出することができるとされており(地方自治法99条)、②は妥当である。地方公共団体の議会の必要的議決事項については、地方自治法96条1項が列挙しており、③は妥当でない。なお、同項に列挙されたものとは別に議決事項を条例で定めることは可能である(同条2項)。④は妥当である(地方自治法76~78条・178条1 項及び3項、地方公共団体の議会の解散に関する特例法2条)(基本法務テキスト212~213,216~217頁)
■政策法務
〔正解〕④
〔解説〕①は妥当である。選択肢に記載の通りである。②は妥当である。もっとも、「市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない」(地方自治法2条16項)とされ、「前項の規定に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効とする」(地方自治法2条17項)と定められている。③は妥当である。都については、都道府県が処理するものとされている事務のみならず、「市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務」(地方自治法281条の2第1項)など、都特有の事務が規定されている。④は妥当でない。地方自治法は、普通地方公共団体として都道府県と市町村を挙げているが、憲法の明文の規定として、都道府県と市町村が挙げられているわけではなく、「地方公共団体」と定められているのみで、憲法が都道府県と市町村の二階層制を保障しているか否かは議論がある。(政策法務テキスト210~212頁)