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2025.05.26 政策研究

第22回 「チーム議会」の必要性

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「チーム議会」に求められる外部化、外部化には特に「優しいコミュニケーション」が求められる

 厳しい職員定数管理の下では、議会局職員の大幅な増加は困難なことが想定されます。そのため「チーム議会」を達成するためには、議会局機能の外部化が必要であり有効です(議会局機能の外部化についての詳細は、江藤(2017b:1-6)を参照されたい)。ここでは、この外部の主体を含めて「広義のチーム議会」と呼ぶことにします。「広義のチーム議会」には、「狭義のチーム議会」のメンバーである議会の構成員(議員及び議会局職員)のほか、市民、民間部門、行政等のメンバーを含みます(図2参照)。
 また、「チーム議会の外部化」の方策は、表6に示すように多様であり、「広聴」「広報・共有・公開」「市民参加」「法規等」「調査」「審議・質問」「研修」に大別することができます。「チーム議会の外部化」に当たり留意すべきことは、外部化が人件費減少に代表されるような経費削減を目的としたものでなく、機能充実(上昇)を一義的に目指したものであるかということです。この視点は、行政部門における外部化に求められるものと同じです。
 なお、「チーム議会の外部化」に当たっても、ネットワークの広がりの大小が効果を左右することが少なくありません。
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出典:筆者作成
図2 「狭義のチーム議会のメンバー」と「広義のチーム議会のメンバー」の外部化関係

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出典:筆者作成
表6 「チーム議会の外部化」の方策(例)

 なお、多様な主体が関わる「チーム議会の外部化」に際しては、特に、主体間で「優しいコミュニケーション」が求められてきます。
 「優しいコミュニケーション」とは、村田和代によれば、「聞き手」「受け手」「コミュニケーションの相手」に配慮したコミュニケーションのことです(村田 2023:199)。村田は、「優しいコミュニケーション」には「気づき」が大切であり、「自省利他」(自己中心性の自覚と払拭に努め(自省)、他者の安寧に資する行動を心がける(利他))という考えが「優しいコミュニケーション」を考える際に手がかりとなるといっています。
 ここでは、村田の「優しいコミュニケーション」の考えを、「チーム議会の外部化」に際しては特に必要であると筆者(=田中富雄)は強調しましたが、もちろん「狭義のチーム議会」のメンバーである議員及び議会局職員にも、「優しいコミュニケーション」を進めることが求められます。そして、それらは「議員と議員」「議員と議会局職員」「議会局職員と議会局職員」というコミュニケーションに大別できます。

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