2025.05.26 議会運営
第98回 委員会における議長・副議長・議員の発言権と出席権/議長の常任委員会への不就任
○委員会における議長の発言内容(行政実例昭和27年6月21日)
問 第105条は委員会において議長が発言できることを認めているが、この発言というのは、議題に対する発言を認めたものでなく、委員会運営の過程において議会全般からみて議長として発言の必要を認めたとき等に限られ、議案に対し発言する場合は、一般議員と同様な取扱をしなければならないと解するがどうか。
答 議長の発言事項に関しては、何ら制限がないので、単に議長として議事整理権、議会事務統理権等の立場からのみでなく、議事の内容に立ち入って質疑し、意見を陳述することもさしつかえない。但し、議決に加わることのできないことはもちろんであるから念のため。
②についても先述のとおり、議会運営委員会においても議長が出席するに当たっては、特に何らの手続を要することなく、地方自治法105条に基づく議長の委員会出席権により出席することが可能であり、当該事由により出席すれば議長の議会運営委員会への出席は公務とみなされ、費用弁償及び公務災害の適用を受けることができるものと解される。
これに対し、副議長には議長のような各委員会への出席権や発言権は規定されていないため、議長が欠員又は事故あるとき以外に副議長として委員会に法的に出席することができない。それゆえ、副議長が議会運営委員会に法的に出席するには、標準市議会会議規則(以下「市会議規則」という)117条1項により副議長を委員外議員として議会運営委員会が出席を求めるという手続をする必要がある。この手続をせずに副議長を議会運営委員会に慣例により事実上出席させていた場合、副議長の当該出席は公務とみなされず、費用弁償も支出できないこととなるので留意が必要である。
【市会議規則117条】
① 委員会は、審査又は調査中の事件について、必要があると認めるときは、委員でない議員……に対し、その出席を求めて説明又は意見を聴くことができる。
③については、議員は標準市議会委員会条例(以下「市委員会条例」という)19条1項により自由に委員会を傍聴する権利を有する。
【市委員会条例19条】
① 委員会は、議員のほか、委員長の許可を得た者が傍聴することができる。
ただし、委員会を傍聴する権利が与えられているだけで、傍聴するに当たり他の傍聴者と同様に発言をすることは一切認められていない。そのため、傍聴議員が委員会中に発言を求めることは、委員会の秩序維持に触れる行為となり、委員長の注意の対象となる。
それゆえ委員長が傍聴議員に対し特に必要がある場合と判断して発言を許可したい場合は、市会議規則117条2項による傍聴議員からの申出により委員外議員として委員会が許可した後、委員外議員として発言させるか、あるいは委員会を休憩し、休憩中に当該議員に発言させるかのどちらかの方法をとる必要があるといえる。