熱中症による死亡者数(5)を見ると、近年その数は年間1,500人以上にも上ります(図5)。2024年にはその数は2,033人(概数)となり(6)、やはり過去最も多い値を記録しました。自然災害による死亡者数が毎年数百人程度であることに鑑みると、熱中症による健康被害がいかに深刻であるかが分かります。なお、近年死亡者の約85%を高齢者が占めます。超高齢社会を迎える日本において、熱中症による高齢者の健康被害の増大が予測されるとともに(7)、気候変動がその増大に拍車をかけることが懸念されます。全ての年齢層での熱中症対策が必要であるものの、将来的な健康被害の増加の観点からすると、高齢者のための熱中症対策が重要といえます。
注:2024年は概数であることに留意。
出典:厚生労働省の統計(5)を基に国立環境研究所が作成
図5 熱中症による死亡者数