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2025.02.25 政策研究

第19回 一般質問の作法とチェックポイント②「一般質問前のチェックポイント、一般質問(時)のチェックポイント、一般質問後のチェックポイント」

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【一般質問後のチェックポイント④】一般質問の総合評価
 一般質問後には、「一般質問の作法とチェックポイント(一般質問前のチェックポイント、一般質問(時)のチェックポイント、一般質問後のチェックポイント)」の全項目について実施できたか否かを評価・確認することが大切です。一つの一般質問について、まずは質問をした議員が、次いで議員全員が評価し、さらには市民や専門家などの第三者が評価し、それらを互いに共有することが求められます。第三者(外部)評価をすることで、相互評価では評価が甘くなりがちであるという問題を避けるだけでなく、議会活動の周知にも役立ちます。これらの活動を通して、当該自治体の基本ルールや政策について、議員そして議会は、市民や行政との共通認識(図2のDの部分)が高まる(広がる)ことになります。
 なお、実際には市民、議員、執行機関、職員も、自治体の基本ルールや政策についての認識状況は多様です。そのため、ときに地域や自治体内で混乱することもあります。無用の混乱を避けるには、当該自治体の基本ルールや政策について学習しておくことが求められます。そのとき、議会の果たす役割は大きいといえるでしょう。
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出典:筆者作成
図2 市民・議会・行政の共通認識

 

結び

 前稿と本稿では、「一般質問の作法とチェックポイント」と、これらに関する事項等について考えてきました。
 一般質問は、質問を行うこと自体を目的とするのでなく、地域の問題を行政職員や他の議員と共有する場として捉えることが大切です。また、長期的な視点を持ちながらもスピーディに課題解決に取り組んでいく姿勢が重要です。市民や一般質問の質問者及び答弁者に納得感を持って質問及び答弁の内容を理解してもらうためにも、明確な主張と、その根拠となる事実・データや背景を入念に調査・分析し、かつ構造的に捉えて準備し、執行部との事前の調整やプレゼンテーションの方法にも気を配ることが求められます。
 前稿と本稿で取り上げた事項の実践には難しいこともあるかと思いますが、それを超克する議会・議員が期待されています。そのことは、市民のための自治体政府(議会・行政)の実現につながります。一般質問は、市民のために議員が行う、行政への真摯な問いかけです。

■参考文献
◇土山希美枝(2014)「質問力を上げよう 第2回 あなたの一般質問を政策にたどりつかせるための戦略の話」議員NAVI 2014年3月10日号
◇土山希美枝(2015)「質問力を議会力に〜一般質問を議会の政策資源とするために〜」議員NAVI 2015年7月10日号
◇北海道自治体学会議会技術研究会(2018)「政策議会の突破口 第3回 一般質問等追跡システムのあり方」議員NAVI 2018年6月25日号

 

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編集 者

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