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2025.01.27 政策研究

第58回 組織性(その4):団体・法人・身体・機関

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地方自治法制における各種団体

 自治体は、法制上は地方公共団体なので、団体の一種である。もっとも、憲法・地方自治法において、団体とは何であるかは明示されていない。地方自治法制では団体の用語は、以下の若干の例外を除き、ほぼ「地方公共団体」に対して使われている(8)
 ①公共的団体:区域内の公共的団体の活動に対しては、首長は議会の議決を得て綜合調整に関する指揮監督ができる。また、首長は報告徴収、現地視察、処分・措置申請をすることができる(法96条1項14号、法157条1項~3項)。行政実例によれば、公共的団体とは、「農業協同組合、森林組合、漁業会、林業会、生活協同組合、商工会議所等の産業経済団体、養老院、育児院、赤十字社、司法保護等の厚生社会事業団体、青年団、婦人会、教育会、体育会等の文化教育事業団体等いやしくも公共的な活動を営むものはすべてこれに含まれ、法人たると否とを問わない」とのことである(9)
 ②団体:例えば、議会が百条委員会の調査を行うために、「区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない」(法100条10項)とある。これは幅広い団体であろう。
 ③政治団体:例えば、国地方係争処理委員会の「委員の任命については、そのうち三人以上が同一の政党その他の政治団体に属することとなつてはならない」(法250条の9第2項)とある。「政党その他の政治団体」であり、政党もどきの人間集合のことであろう。
 ④地縁による団体・地縁団体・認可地縁団体:例えば、「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体(以下……「地縁による団体」という。)は、地域的な共同活動を円滑に行うため市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う」(法260条の2第1項)とある。住所という地縁による結合体である。
 ⑤指定地域共同活動団体:「地域的な共同活動を行う団体のうち、地縁による団体その他の団体(当該市町村内の一定の区域に住所を有する者を主たる構成員とするものに限る。)又は当該団体を主たる構成員とする団体であつて、次に掲げる要件を備えるものを、その申請により、指定地域共同活動団体として指定することができる」(法260条の49第2項)とある。「地域的な共同活動を行う団体」の中で、住所を有する住民が「主たる構成員」であるという程度の地縁のある団体である。④より地縁性が薄い。
 しかし、いずれも団体についての定義を与えていない。

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